もう1つの要因がAIである。現状、AIはXboxのエコシステムとはほとんど関係がない。マイクロソフトは、他の巨大テック企業と同様にAIへ大きく舵を切っており、その主軸はMicrosoft Copilotに置かれている。しかし、このプラットフォームは競合と比べて評価が高いとは言い難い。アクティビジョン・ブリザードなどの巨額買収を十分に活かし切れていない状況を踏まえれば、AIとは無縁のゲームブランドやサブスクリプションサービスに投資を続けることは、魅力的とは言えないだろう。一方で、コンソールにも無理やりAIを組み込む、「Copilot for Gaming」(編注:Gaming Copilotとも呼ばれる)といった構想は、すでに大量に起きているファン離れを、さらに加速させるだけだ。
Xboxが消えるとしても、巨大なコンソールブランドがその道を辿るのは初めてではない。過去数十年を振り返れば、セガやアタリがその例として挙げられる。また、大手テック企業がゲーム事業を縮小、あるいは放棄するのも初めてではない。グーグルは、ストリーミング事業のGoogle Stadiaが失敗した後、この分野から完全に撤退した。メタはVRを基盤とするメタバースに数十億ドルを投じたが、成果として残ったのはその変更された社名だけだ。アマゾンもここ数年でゲームスタジオを閉鎖しており、ゲーム分野での最大の資産は、ゲーム配信プラットフォームであるTwitchにすぎない。
AIという、やや向こう見ずとも言える目標を追い求める中で、Xboxが道の脇に押しやられてしまう可能性は否定できない。経営陣が何を語ろうとも、少なくとも現時点では、Xboxが安定しているとは言い難い状況にある。


