重要なのは、ニクソンが大統領であったからこそ、ドルを切り下げることができた点だ。連邦準備制度理事会議長アーサー・バーンズは、すべての米国人の幸福(我々はドルで収入を得ているのだから)に明らかに有害なことをしないよう、ニクソンに懇願した。しかしメイヤーの場合と同様、バーンズもそれを阻止する力を持っていなかった。バーンズが今日まで1970年代のインフレーションの責任を問われていることは、「経済学」の破綻した本質をさらに証明している。
それでも、フランクリン・ルーズベルトとニクソンから、読者は大統領が望むドルを手に入れられることを理解できるはずだ。彼らは金に対するドルの価値を変更でき(ルーズベルト)、金から離脱することでドルを切り下げることができた(ニクソン)。そしてレーガンは、金のような商品にドルを再び結びつけることで、ドルを復活させることができたはずだ。なぜ彼はそうしなかったのか。ここでの推測は、ニクソンを説得した経済学者たちが、レーガンにもニクソンの決定を覆さないよう説得したということだ。
ここでドナルド・トランプの登場となる。彼はニクソンの重大な過ちを正すのに完璧な大統領だ。それは単に、トランプが、博士号を持つ者たちが、ドルに安定性という尺度を与えるという大胆な試みに、必然的に愚かな反応を示すことを明らかに楽しんでいるからだけではない。。トランプは博士号保有者たちをからかうことを正当に喜ぶだろう。同時に、連邦政府によって稼いだドルが切り下げられることをもはや恐れる必要がないという真実で、支持者かちを喜ばせることができる。
さらに良いことに、トランプはレーガンが残念ながら成し遂げられなかったことを実現できる。彼もそれを楽しむだろうし、それも当然だ。安定したドルは、他のどんな政策よりも世界経済を押し上げるだろう。そしてトランプ政権に、ノーベル平和賞がもたらし得るものをはるかに超える威信を与えることになる。


