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2026.02.23 17:00

世代間対立で年間8.7兆円の損失、Z世代と上世代の職場摩擦を乗り越える方法 米国

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「OK、ブーマー」という表現は、かつてほど流行の決め台詞ではないかもしれない。だが、その背後にある態度はほとんど変わっていない。新たな調査は、世代間の溝が依然として深いことを示している。とりわけ営業組織で顕著であり、雇用主にとって年間で推定560億ドル(約8兆6600億円)の生産性損失につながっているという。

ClariとSalesloftが、独立系調査会社Workplace Intelligenceと組んで実施したデータによれば、営業組織における世代間対立を最も強く駆動している要因の1つは、AIの導入(あるいは導入しないこと)だ。

若い世代が概ねAIを受け入れている一方で、ブーマー世代(1946年〜1964年生まれ)はそれほど熱心ではなく、必然的に衝突が生じている。調査によれば、ブーマー世代の60%は、Z世代のAI中心の考え方が「顧客関係を破壊している」と主張する。これに対し、Z世代の営業担当者は、ブーマー世代のAIへの抵抗が「イノベーションを殺している」(64%)、「商談を失う原因になっている」(63%)と考えている。

AIをめぐる摩擦は支配的になりつつあり、Z世代の営業担当者の10人に約4人(39%)は、ブーマー世代の上司よりもAIマネージャーに報告したいと答えている。ブーマー世代の25%は、AIと働くほうがZ世代の同僚と働くより心地よい、と言い返している。

もちろん、争点はAIだけではない。Z世代とブーマー世代は、コミュニケーションのスタイルやワークライフバランスを含め、さまざまな論点で対立している。

コミュニケーション

これは目新しい話ではないかもしれないが、Z世代とブーマー世代はコミュニケーションの取り方が異なる。異なる世代で構成されたチームで働く回答者の39%が、コミュニケーションにおける世代差が誤解や行き違い、破綻を引き起こしていると述べた。

組織内で不十分なコミュニケーションが生む苛立ちにとどまらず、見込み顧客も影響を受けている。営業担当者の10人に8人以上が、同僚が顧客の期待に合わせてコミュニケーションのスタイルを調整しなかったために、商談が流れたことを目にしたと答えている。

ワークライフバランス

想像に難くないが、ワークライフバランスの捉え方をめぐっても、Z世代とブーマー世代は互いに不満を抱いている。Z世代の多数(71%)は、ブーマー世代が成果よりも労働時間を重視していると考え、さらに56%は、有害な職場文化の原因をブーマー世代に帰している。ブーマー世代の64%は、Z世代がワークライフバランスを優先することで事業に不利益が生じていると主張する。

私はステージ上で何度もこう言ってきた。私の世代であるブーマーは、働くために生きる──そしてZ世代はその逆だ。彼らは生きるために働く。請求書を支払うために働き、その後は、人生でより重要だと考えることに時間を使う。友人、家族、趣味、娯楽、そして私生活を形づくるあらゆるものだ。

ブーマー世代として、これは私の自然な感覚とはまったく異なる。ミレニアル世代やZ世代の仕事観を学び始めた当初、彼らの優先順位を理解するまで少し時間がかかった。彼らにとって仕事は必要だが、必要以上に時間を費やすものではない。

私は自分に染みついた信念から一歩引き、若い世代のように仕事を見ることは間違いではないと理解しなければならなかった。ただ違うだけであり、受け入れるべき現実なのだ。

定着の悩み

組織によっては、世代間対立がここまで高まったことで、定着率に影響が出かねない。調査では、Z世代の営業担当者の28%が、ブーマー世代が1人もいない新しい職場を探していることがわかった。一方で、ブーマー世代の約5人に1人(19%)は、Z世代の同僚から逃れるために早期退職を計画している。

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