19. 原子力発電所の原子炉運転員(Nuclear Power Reactor Operators)
原子炉運転員は、原子力発電を行うシステムを制御する。AI耐性指数は77.7である。機器の不具合に即応し、長時間の交代勤務でも絶対的な集中を維持し、誤りが破滅的な結果を招きかねない高リスク状況でも冷静さを保たねばならない。自動化は原子炉システムを監視するが、年収中央値7万4580ドル(約1156万円)の人間の運転員は、安全確保のために不可欠である。
20. サイバーセキュリティアナリスト(Cybersecurity Analysts)
AI耐性指数76.7に位置するサイバーセキュリティアナリストは、コンピュータネットワークとシステムを侵害から守る。この役割には、新たなハッキング手法に適応し、攻撃が進行中の状況で迅速に判断し、セキュリティ事故の最中も冷静さを保つことが求められる。AIは脅威検知を強化するが、年収中央値8万3244ドル(約1290万円)の人間のアナリストは、高度な攻撃の調査と対応に不可欠である。
AI耐性の高い職業に見られる主要パターン
指数からは、いくつかの明確なテーマが浮かび上がる。
・医療分野が上位を占め、20職種のうち8職種は、医療の専門性と、持続的な生死のプレッシャーの下で遂行する力を要する
・航空関連の役割は一貫して高順位であり、ますます高度な自動化が進む中でも、飛行の安全が人間主導であり続ける理由を裏づけている
・CEO、CISO、裁判官といったリーダーシップ・監督の職位は、高リスクの説明責任と、AIには再現できない感情の自己統制を併せ持つため、依然として置き換えにくい
・ストレスが大きいほど報酬が高い傾向があり、年収が15万ドル(約2325万円)を超える職種も複数ある。外科医と麻酔科医は30万ドル(約4650万円)を大きく上回る
AI耐性の高い職業の将来
AI耐性キャリア指数は、AIの時代における雇用の安定性がどのように変化しているかを浮き彫りにする。AIは今後も定型的な作業を自動化し、多くの職業を作り替え続けるだろう。一方で、人間の判断、感情知性、そして結果に対する説明責任を中心に成り立つ役割は、構造的に置き換えが難しいままである。自動化が進むほど、プレッシャー下での冷静さ、結果に対する責任、そして繊細な意思決定は、価値が下がるどころか、より重要になっていることを、これらの職業は示している。


