リーダーシップ

2026.02.02 15:00

チームの「厄介者の発言」は正しいこともある、知っておきたい反論を生かす思考法

会議で反発してくる部下や同僚はうっとうしい存在だ。しかし多くの場合、彼らは誰も触れたがらない重要な問題を指摘している(shutterstock.com)

会議で反発してくる部下や同僚はうっとうしい存在だ。しかし多くの場合、彼らは誰も触れたがらない重要な問題を指摘している(shutterstock.com)

どの組織にも必ず1人はいるものだ。会議で反論ばかりする同僚、すでに進行している決定事項にいつまでも疑問を呈する上司、否定的で攻撃的、あるいは一筋縄ではいかない部下──やがて会議室には、「あの人さえ黙れば……」という暗黙の認識が醸成される。

「あの人さえ」という考え方は単純明快で座りがいい。問題の原因を「会社のシステム」ではなく、「個人」に向けるからだ。誰かのせいにした瞬間、私たちは原因究明をやめられる。そして会議が終わると、すべて解決したように感じられる。

しかし多くの場合、会社の機能不全の原因はこうした「厄介な人物」にはない。彼らの行動は機能不全の結果であり、症状でもある。その多くはシステムがうまく機能していないことを示す黄色信号だ。上司が口調や態度ばかりに目を向け、本質に注意を払わないでいると、皆が目をつぶっている重要な問題や情報を見逃すことになる。

「厄介」な行動の真の意味を読む

繰り返される意見の衝突が、偶然起きていることはほとんどない。常に厄介なふる舞いをする人は、解決されないままの同じ問題にただ何度も反応しているだけだ──それは例えば、曖昧な優先順位、一貫性のない評価制度、説明もなく変更される決定事項、表向きは立派だが現実には守られていない企業理念などについてだ。

不満の声が問題の解決につながらないと、社内にフラストレーションがたまっていく。その状況下で、ただ静かに諦める人もいれば組織を去る人もいる。少数だが残って声を上げ続ける人もいる。彼らは上司に耳の痛い質問を投げかけ、曖昧な答えに不満を表す。そして根本の問題が解決されないかぎり、同じ懸念を何度も繰り返す。

この粘り強さはやがて、「その人の性格の問題」と見なされる。当初は「厄介な問題を懸念する人」だったのが、いつのまにか「厄介な人」というレッテルに変わってしまうのだ。一度そうなると、もう誰も耳を傾けない。伝えられている内容ではなく、伝えている人物によってメッセージが退けられるのだ。

不適切な行動を奨励しているわけではない。実際、単にコミュニケーション能力の低い本物の厄介者もいる。しかしある社員による「厄介」な行動が長く続いているのなら、それは会社のシステムレベルの問題であることが多い。同じ反論が異なる時間や状況で繰り返されるなら、単なる雑音ではないと考えるべきだ。

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翻訳=猪股るー

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