欧州

2026.02.01 09:00

ウクライナの暗く厳しい冬、「迎撃ドローン」は救世主になるか 月産ペース4.5万機に拡大

ウクライナの迎撃ドローン「スティング」が捉えたロシアのシャヘド型自爆ドローンとされる機影。スティングの製造元ワイルド・ホーネッツが公開した映像より

ウクライナの迎撃ドローン「スティング」が捉えたロシアのシャヘド型自爆ドローンとされる機影。スティングの製造元ワイルド・ホーネッツが公開した映像より

ウクライナは危機モードに入っている。数年にわたり続いてきたロシアによるエネルギーインフラへの攻撃がいよいよ危険な段階に達し、システムは機能不全に陥り、照明と暖房が止まり出している。ボロディミル・ゼレンスキー大統領は1月半ば、エネルギー非常事態を宣言した。

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デニス・シュミハリ副首相兼エネルギー相は国会で「世界の誰もこれほどの試練に直面したことはありません」と述べている。

ウクライナは10年以上ぶりの寒波に見舞われ、気温がマイナス15度まで下がるなか、一部地域で電力や暖房が失われている。ウクライナ国民の強靭さだけが国を持ちこたえさせており、驚くべきことに通常どおりの生活がなお続けられている。

一方でかすかな光明も見えている。ウクライナの迎撃ドローン(無人機)がようやく、ロシアによるエネルギー部門への猛攻に対して形勢を変えようとしている可能性があり、電力網の修理と復旧のチャンスが生まれている。

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極寒と停電のなかで保つ日常

首都キーウ市のビタリー・クリチコ市長は1月12日、ロシアによる市への攻撃の結果、市内の集合住宅800棟あまりで暖房が失われていると報告した。住民の話によれば、1日わずか3時間ほどしか電気が使えない地区や、水の供給も途絶えている地区もある。

キーウの集合住宅の大半は、CHP(熱電併給)プラントから供給される温水を循環させる集中暖房システムに頼っている。しかし温水の供給が止まり、気温が氷点下を大きく下回ると、配管が凍結して破裂するおそれがある。配管が破裂した状態で温水供給が再開されると浸水が発生し、暖房も使えなくなってしまう。市当局は予防措置として暖房用の水を抜くことを勧告しているが、そうすればやはり一時的に暖房が使えなくなる。配管の修理作業は通常なら数時間もあれば終わるだろうが、厳しい寒さのなかでは時間も手間ももっとかかる。

いずれにせよ、極寒時には温水ラジエーターだけでは集合住宅を十分に暖めることができない。そのため、人々は補助的に電気暖房を使っている。停電中の暖房用にポータブル電源が必需品となっており、多くの建物には発電機も備えられている。ウクライナの大部分は暗く寒いが、それでも生活は続いている。人々は屋内でも冬服を着込み、何枚もの毛布や掛け布団にくるまって眠っている。

避難シェルターは明かりと暖かさ、そして携帯電話の充電場所を提供している。また、企業の活動や店の営業も続いている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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