欧州

2026.02.01 09:00

ウクライナの暗く厳しい冬、「迎撃ドローン」は救世主になるか 月産ペース4.5万機に拡大

ウクライナの迎撃ドローン「スティング」が捉えたロシアのシャヘド型自爆ドローンとされる機影。スティングの製造元ワイルド・ホーネッツが公開した映像より

迎撃ドローンはもともとはFPV(一人称視点)攻撃ドローンをベースに開発されたものだが、その後独自に進化し、現在は高速な弾丸型の設計が好まれている。ウクライナで使用されている機種は多く、スティングのほか、サーベイヤー/メロプス、テクノ・タラス、ハンター、サリュート、バフネトなどがある。ゼレンスキー大統領は先ごろ、迎撃ドローンの主要サプライヤーは4社あり、うち2社が非常に高い成功率を達成していると言及したが、詳細は明らかにしていない。

小型の迎撃ドローンは1機3000~5000ドル(約4万6000〜7万7000円)と低コストで、重量およそ200kgのシャヘド型攻撃ドローンを20km程度の距離から容易に撃墜できる。ゼレンスキーによると成功率は70%程度とされる。実際の運用では、1つの目標に対して少なくとも2機の迎撃ドローンが発射される。パトリオット地対空ミサイルが2発1組で発射されるのと同じ理由で、1機目が撃ち漏らしても2機目が補えるようにし、撃墜率を最大限に高めるためだ。

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したがって、ウクライナはシャヘド飛来数の2〜3倍の迎撃ドローンが必要になる。ロシアがシャヘドを月に5000機発射するなら、ウクライナは迎撃ドローンを月に1万5000機配備する必要があるだろう。

数カ月前にはこの数字は不可能に思えたが、生産は急速に拡大している。ワイルド・ホーネッツは、2カ月で生産数を「2倍超」に増やしたと述べている。ウクライナ国防省の発表によれば、1月時点でウクライナは迎撃ドローンを月に4万5000機のペースで生産しているもようだ。

生産拡大は主に、支援諸国からの援助で促進されたとみられる。たとえば欧州連合(EU)は2025年9月、ウクライナからの緊急要請に応じてドローン生産向けに20億ユーロ(約3700億円)の資金拠出を約束した。

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迎撃ドローンは実際に効果を上げている。迎撃ドローンがまだ大規模に投入されていなかった2024年には、非公式の数字によればシャヘドの10%はジャミング(電波妨害)で落とされ、55%は機動防空チームに、35%はミサイルで撃墜されていたとされる。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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