2.経験に基づいて語り、感情的な非難をしない
感情的に安定している人にとって、インパクトを表現することと、責任を押し付けることの違いは非常に明確だ。一方で、不安定な人は正直に伝えることが苦手な場合が多い。彼らはいつも同じ決まり文句に頼る循環的な会話に陥りがちだ。それらは多くの場合、次のような言葉で始まる。
・「あなたはいつも…」
・「あなたは決して…」
・「あなたは私を…な気持ちにさせる」
これらの「あなたは」の表現は、容赦なく率直である印象を与えるが、実際には相手の人格を攻撃しているにすぎない。こうした姿勢や言葉遣いは防衛反応につながり、相手の自己価値感を損なう可能性がある。要するに、やり取りは「勝ち負け」のゲームに変わる。本来の問題は置き去りにされ、主な関心事はいかにして自分を守るかになる。
感情的に安定している人はあらゆる要素を含んだ思い込みではなく、自分の経験から言葉を発する。自分が何に気づき、どう解釈し、それが自分にどのような影響を与えたのかを語り、その体験を相手の人格批判へとすり替えない。例を挙げる。
・「あなたが私に相談せずにその決断をしたとき、私は排除されたように感じ、自分の役割について疑問を持ち始めた」
・「あの会話の後、距離を取っている自分に気づいた。軽視されたと感じたからだ」
・「この変化に戸惑っていて、安心するためにはもっと明確さが必要だと気づいた」
言葉遣いが重要だということに気づいてほしい。調整的な役割を果たすためだ。専門誌『Brain, Cognition and Mental Health』に2018年に掲載された研究は、難しい会話の最初の文言だけでもその後の感情的な流れを大きく左右することを示唆している。
「私」を主語にして視点を明示する表現は、「あなた」が主語、あるいは非難的な表現よりも敵意の度合いが低く、防衛反応を引き起こしにくくなる。
実際、自分の体験と相手の視点の両方を認めるメッセージ(例:「あなたがそう感じるかもしれないのは理解できるが、私の感じ方は違う」)は、対立を解消するための話し合いを始めるのに最も建設的だと一貫して評価されている。
要するに、非難ではなく経験から語ることで、感情的に安定した人は対人関係上の脅威レベルを下げ、相手の神経系を防衛モードに入れさせず、問題解決の可能性を保つ。彼らは真剣に受け取ってもらうために誇張する必要はない。なぜなら自らの経験が十分な証拠だと信じているからだ。そして自分の価値が会話に「勝つこと」に依存していないため、罰するような言い方ではなく正確な表現を選ぶ余裕がある。


