議会での承認は難航か
トランプ大統領の指名候補者は、米議会上院で承認を得る必要があり、その道筋は平坦とはいえない。上院銀行委員会のトム・ティリス上院議員(共和党)は、パウエル議長とFRB本部ビルの改修に関する米司法省の調査が終わるまで指名手続きを阻止すると述べた。
ティリスは30日、ウォーシュを「金融政策に深い理解を有する有能な候補者」だと評しつつ、自身の立場は「変わっていない」とし、FRBの候補指名すべてに反対する意向を明らかにした。これに先立ち29日には、記者団に「パウエル議長の捜査が完了し起訴の可能性が確定するまで」FRBの指名手続きは進まないと述べ、「私が保留を解除する時期は、司法省が決定する。それは訴訟が確定するか、取り下げられた日だ」と語っていた。
議長退任後のパウエルの動向にも注目
パウエルの任期は5月までの予定だが、2028年まで理事としてFRBに残ることは可能だ。ただ、これは1940年代以降は例がなく、長年の慣例から大きく逸脱することになる。
トランプ大統領が昨年の大統領選で再選されて以来、パウエルはトランプの批判と嘲笑の主要な標的と化しており、トランプはパウエルの政策決定の大半に異を唱えている。FRB議長の解任は大統領権限では行えない。こうした中、トランプ政権下の司法省は今月、パウエルがFRB本部の改修工事をめぐって議会で偽証したとして捜査を開始した。
パウエルは疑惑を強く否定し、司法省の捜査を強く非難する声明を発表。「刑事告発の脅しは、FRBが大統領の意向に従うのではなく、国民に奉仕するために最善の判断に基づいて金利を設定してきた結果だ。これは、FRBが今後も、証拠と経済状況に基づいて金利を決定し続けられるのか、それとも金融政策が政治的圧力や威嚇によって左右されるのかという問題だ」と訴えた。
パウエルは、議長の任期終了後も理事としてFRBに留まるか、辞任するかについてはまだ意向を表明していない。


