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2026.02.02 17:00

倒産、ホームレス、精神科治療──「どん底からの逆転劇」起業家10人の不屈のストーリー

Shutterstock.com

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「資金がなければ稼げない」という思い込みが、才能ある人々を傍観者にしてしまう。そうした人は、資金が集まるのを待ち、貯蓄が十分に貯まってから行動しようとする。あるいは、経済的に絶好のタイミングが訪れるのを期待するが、そのような好機は決して訪れない。ロクサン・クインビーは、クラフトフェアで稼いだ200ドルを元手にコスメブランド「バーツビーズ」を立ち上げた。クレイグ・ニューマークは、友人向けの無料メールリストとして「クレイグスリスト」を始めた。エアビーアンドビーの創業者であるブライアン・チェスキーとジョー・ゲビアは、家賃を払うために自宅アパートでエアマットレスを貸し出し、初期資金を捻出した。彼らに共通していたのは、条件が整うのを待つことなく、自ら行動に移した点だ。

人は、どん底に立つと、まるで全てが終わったかのように感じる。しかし、それを突破した起業家たちは、その経験を次の挑戦の基盤に変える。筆者も十代の頃にどん底を経験し、その経験がその後の人生を形作った。最初のビジネスは1000ポンド(約21万円)未満で始め、最終的には数億円で売却した。何もない状態から始める覚悟が先立ち、お金は後からついてきたのだ。

以下に紹介する十人の起業家たちは、諦めても仕方ないほどの絶望的な状況に直面した経験を持つ。クレジットカードは拒否され、事業は崩壊し、中にはホームレスになったり、精神科の治療を受けた者もいる。それでも彼らは事業を立ち上げ、成功へと導いた。彼らの物語は、今あなたが直面している苦労が成功への布石となり得ることを示している。

1. クレジットカード限度額超過で子供の薬も買えず

2年前、クリスティナ・フリンは、起業で成功する手応えをつかんだと思っていた。ところが、数万ドルの資金が消え、別の事業は失敗に終わり、妻からは「もうこれ以上は続けられない」と告げられる。どん底は、病気の5歳の子供のために薬局で薬を買おうとしたときに訪れた。クレジットカードが拒否されたのだ。その瞬間、彼女は誰かが自分を救ってくれるのを期待し続けていたことに気づき、崩れ落ちたという。「私にスキルが足りなかったわけではない。足りなかったのは、自分を信じる力だった」とフリンは語る。彼女は自分自身と真正面から向き合い、その後、ストーリーテリングを軸にしたブランディング支援会社「StoryEQ」を立ち上げた。現在、同社は月次経常収益が3万ドル(約460万円)規模にまで成長している。フリンは、物事を深く考えすぎる人が自らの価値を見出し、それを言語化できるよう支援している。

2. 20歳でホームレスから国際的に活躍するテック起業家へ

マシュー・サイモンは20歳のときにホームレスとなり、知人宅を泊まり歩きながら先の見えない日々を送っていた。やがてテレマーケティングの仕事に就き、ノルマの2倍を達成する手法を編み出す。彼は父親の死後、相続したわずかな遺産を元手にスタートアップ事業に挑戦した。ウクライナでチームを立ち上げ、後に拠点をバルセロナへと移した。「私は、不利な状況をどうすれば有利に変えられるかを考え続けてきた」とサイモンは語る。その後、7ヵ国にまたがる国際的なチームを築き、英国の人気クイズ番組「マスターマインド」や「ユニバーシティ・チャレンジ」にも出演。これまでに52ヵ国を訪問し、現在はAI分野で博士号の取得を目指している。

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編集=朝香実

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