巨額の資金が動く「世界モデル」開発競争、フェイフェイ・リーも約354億円の資金調達
AMIでルカンは、その研究を実用化に移すために巨額の資金を調達している。フィナンシャル・タイムズは以前、この新スタートアップが(当時のユーロ・ドル為替レートで)約6億ドル(約924億円)近い資金調達を目指していると報じた。世界モデルを開発する動きは他にもあり、スタンフォード大学教授のフェイフェイ・リーもその1人だ。彼女のWorld Labsは、2024年9月にステルス状態(非公開)を解除し、10億ドル(約1540億円)超の評価額で2億3000万ドル(約354億円)の資金を調達していた。
「他の臨床用途では、LLMを安全に展開するには精度が低すぎる」
「過去5年で、世界はLLMに完全に取りつかれました。今、私たちはハンマーを手にして、あらゆるものを釘として見ています」とルブランは語った。「情報検索のような一部の問題では、これが最良の技術です。ですが多くの問題は、そこに当てはまりません」。
医療分野では、例えばAIスクライブ(Nablaを含む)、臨床医支援(OpenEvidenceなど)、X線などの画像からパターンを発見することは、既存のLLM技術の良い活用例だとルブランは述べた。しかし、他の臨床用途では、LLMを安全に展開するには精度が低すぎる──人間の監視なしに自律的に動作するAIエージェントはなおさらだ。「俯瞰してみれば、それは問題全体の1%か5%に過ぎません。医療には依然として多くの課題が残っていることは誰もが認めるところです」。
AMI、企業提携で世界モデルを現実の課題に持ち込む──Nablaは新体制で運営継続
AMIは企業と提携し、世界モデルを現実の課題に持ち込む計画だが、Nabla以外の具体的なプロジェクトはまだ公表されていない。フランスのスタートアップNablaはこれまでに1億2000万ドル(約185億円)を調達しており、2年以内に年換算のサブスクリプション収益が1億ドル(約154億円)に到達すると見込んでいる。Nabla共同創業者で最高執行責任者(COO)のデルフィーヌ・グロルが、ルブランの後任となる新CEOが指名されるまで同社を率いる。「アレックスは常に会社のAIのビジョナリーでした」と彼女は語った。
ルブランは「製品で使える最初のものを生み出すには、約1年かかるでしょう」と見積もっている。世界モデルの研究はすでに強固で、ここ数年だけでも数百本の論文が発表されているという。「世界モデル研究の最近の進展を踏まえると、これを医療に適用するタイミングが来たと感じました。だからこそ、私たちはそれをNablaと一緒にやろうとしているのです」と彼は語った。


