食&酒

2026.02.11 16:00

フランス料理にもマッチする、繊細な味わいのクラフトビール:平和クラフト 山椒ゴールデンエール

Forbes JAPAN本誌で連載中の『美酒のある風景』。今回は2月号(12月24日発売)より、「平和クラフト 山椒ゴールデンエール」。軽やかな味わいとクラフトビールらしい多様性がある1本だ。


 1994年の酒税法改正により、ビールの最低製造量が年間2000klから60klへと大幅に引き下げられたことで、日本各地で誕生したのが地ビール。2000年代に入ってからは米国のようにクラフトビールと称されるようになり、小規模ながらより高品質なつくり手が注目を集めてきた。その背景には、ビールは日本酒やウイスキーなどに比して小資本・短期間で回せるという特有の製造フローがあるだろう。ひとつのタンクでIPA、ラガー、スタウト......とフレキシブルに小づくりできることで、バリエーション豊かなラインナップを通年で展開することができる。

「平和クラフト」は、「紀土」で知られる日本酒の蔵元「平和酒造」によるクラフトビールブランド。2016年のリリース以来、ビールが苦手な人でも1本飲みきれる軽やかな味わいとクラフトビールらしい多様性で人気を博してきた。 

「『山椒ゴールデンエール』は全国シェアの8割を占める和歌山県産の山椒を漬けこんだエール。和山椒とも呼ばれるぶどう山椒は、その名の通り白ブドウのような甘い香りと柑橘系の爽やかな香りで、味のほどよいアクセントとなっています」と語るのはフランス料理店「La Paix」(東京・日本橋)でソムリエを務める田中智人だ。オーナーシェフの松本一平が和歌山県出身であることから、和歌山産の食材を多く使う同店だが、田中が「平和クラフト」に出会ったのはまったくの偶然だったとか。「クラフトにありがちなホップの強いテイストはどちらかといえば苦手なのですが、これはフルーティーですんなりおいしいなと。この繊細なバランスの良さならフランス料理にも合うと感じます」

この日は鳥取産の鹿肉にアマゾンカカオを加えた衣をまとわせ、揚げたカツレツをペアリングしてくれた。ビールとくればやはり、揚げ物。これは間違いない。 

「私は常々ビールとチョコレートの相性が良いと思っているのですが、アマゾンカカオと山椒の苦みにも通じ合うところがあり、幾重にも響き合うマリアージュをお楽しみいただける組み合わせです」
 
店名の「La Paix」とは仏語で平和を意味するが、ここで「平和酒造」の「平和クラフト」を飲めるとは、なんというコインシデンス。地政学的なリスクからきなくさい世界情勢が続いているが、せめて年末くらいは心穏やかに過ごしたいものだ。来る2026年がどうぞ平和な明け暮れとなりますように、と心より祈ります。

平和クラフト 山椒ゴールデンエール

容量|330ml 
アルコール度|数:5.0% 
価格|545円
問い合わせ|平和酒造 

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写真=福本和洋 文・構成=秋山 都

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