キャリア・教育

2026.01.30 11:30

「女性は科学技術職に向いていない」 性差を巡る偏見は幼少期から形成か

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米国では、科学技術分野に携わる男女格差の解消に向けた数多くの取り組みが行われてきたが、科学・技術・工学・数学分野の労働力に占める女性の割合は依然として3分の1程度にとどまっている。女性の科学技術分野への参入促進に向けた取り組みが続く中、新たな研究から、学問分野と性別に関する固定観念は幼少期の段階で既に形作られていることが明らかになった。

学術誌「性別役割」に掲載された論文によると、幼稚園児から小学3年生までの児童を対象とした研究において、子どもたちは、女子の方が科学技術系科目の試験で苦労すると考えていることが判明した。子どもたちは、科学技術系の職業では女性より男性の方が有能だと見なしていた。この偏見は、科学技術系学問の難易度に対する認識に関連している可能性がある。女子は科学技術系職種を非科学技術系職種より難易度が高いと考えていたのに対し、男子は両者の職種を同等に捉えていた。さらに、男子の62%が理科や算数を最も好きな科目として挙げたのに対し、女子で同じように回答した割合は37%にとどまった。

研究者らは、年長児童の能力に対する児童の認識を評価するため、研究対象となった年少の子どもたちに、難易度の高い試験で小学5年生の男子と女子がどのような成績を収めるかを予測するよう求めた。その結果、子どもたちは、女子は非科学技術系科目に比べ、科学技術系科目を学ぶ能力が低いと見なしていた一方、男子については科学技術系科目と非科学技術系科目の両方を学ぶ能力が同等だと認識していることが判明した。これらの結果は、小学校と中学校では男女ともに理科と数学の授業で同等の成績を収めていることを考えると、特に憂慮すべきものだと言えよう。

こうした幼少期の偏見は学業だけにとどまらず、職場での男性と女性の能力に対する認識にまで及んでいる。実験では、科学技術系職種に関する質問を小学校低学年の児童にも理解しやすいように設計し、各職業については平易な言葉と図解を用いて説明した。例えば、技術者については「この男性とこの女性は技術者です。技術者は機械について知っています。技術者は新しい機械を作るだけでなく、機械を修理したり、改良したりすることもできます」と紹介された。子どもたちは、男性と女性がそれぞれの仕事でどれほどうまくやっていけるかを評価するよう求められた。

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翻訳・編集=安藤清香

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