その結果、子どもたちは科学技術系職種について、男性を高く評価した。非科学技術系分野での男女の能力評価は統計的に同等だった。これらの研究結果は、子どもは6歳までに既に世界の認識に性別役割の固定観念を適用していることを示した先行研究と一致している。幼い年齢でも、子どもたちは男性を女性より知的だと見なし、男子の方が女子よりコンピューター科学や工学などに興味を持っていると考えている。
重要なのは、性別による格差が科学技術分野だけでなく、多くの職業に存在しているという点だ。例えば、幼稚園教諭のような職種では男性の割合が著しく小さく、労働力のわずか3.3%を占めているに過ぎない。こうした男女間の不均衡は通常、懸念すべき傾向を反映している。一般的に、男性が低賃金の仕事に就く割合は小さい一方で、高賃金の職に就く女性は著しく少ない。
科学技術分野は高収入な専門職が多く、米労働統計局によれば、同分野の労働者の平均収入は非科学技術系労働者の2倍以上となっている。対照的に、幼稚園教諭の年収は3万4569ドル(約530万円)だ。これは、米国の学士号取得者の年収の中央値である7万4150ドル(約1140万円)の半分にも満たない。こうした賃金格差からも、女性が高収入の科学技術分野でのキャリアを追求するよう促す取り組みが重視される理由が分かる。
研究者らは、女子の科学技術分野への参加を促進し、同分野における女性の能力に関する固定観念に挑むため、教育者や保護者向けに複数の戦略を提案している。実践的な戦略の1つは、女子生徒に科学技術分野で活躍する女性の模範例を紹介することだ。例えば、女性科学者と会う機会を設けることで、女子生徒の自信と興味を育むことができる。さらに、子どもたちに、成功した女性科学者になり切るなど、想像力豊かな遊びに取り組むよう奨励することも、男女の能力差に対する認識を変え、自信を育む上で有望であることが示されている。


