あらゆる予想に反して、2025年はIPO市場にとって非常に堅調な1年となった。同年春には関税騒動が勃発し、世界貿易に混乱をもたらした。そして秋には史上最長の政府機関閉鎖が発生し、SEC(米証券取引委員会)が43日間にわたり機能停止に陥った。
こうした逆風にもかかわらず、昨年は203社の新規上場企業が取引を開始し、前年比35%増となった。これらの企業は合計440億ドル(約6兆8500億円)を調達し、生産拡大、人材採用、新技術開発への投資を可能にした。調達額は前年比49%増である。
しかし、引いて見れば、IPOで調達された資金は、2025年にベンチャー投資に投じられた2800億ドル(約43兆6000億円)のごく一部にすぎない。実際、ソフトバンクが主導したOpenAIへの410億ドルの投資という1件の案件だけで、公開市場で調達された総額にほぼ匹敵する。
歴史的に、プライベート市場は企業が「離陸段階」に到達するまで、より小規模でリスクの高い投資を担う存在とされてきた。そこまで来れば、企業は公開市場でより深い資本源にアクセスできるはずだった。ところが近年、この構図は逆転している。本当の資金は、投資信託や個人投資家ではなく、政府系ファンド、メガキャップの「ハイパースケーラー」、プライベート投資プールから流入している。IPO市場は、米国経済を変革しつつあるAI投資ブームにおいて、これまでのところ単なる脚注にとどまってきた。
しかし、2026年には一連の巨大案件に牽引され、米国のIPO市場が復活する可能性があると期待できる理由がいくつもある。
IPOを再び偉大に
12月初旬、SEC委員長のポール・アトキンスはニューヨーク証券取引所のフロアで演説を行い、上場をより魅力的な選択肢にするための複数の改革案を予告した。彼は、1990年代にSEC職員だった頃と比べて上場企業数が40%減少したことを指摘し、「規制の肥大化」が上場企業であることを魅力のない選択肢にしていると批判した。
「何十年にもわたる規制の積み重ねが膨大な書類を生み出し、明らかにするどころか、むしろ曖昧にしてしまっている」とアトキンスは述べ、企業の開示書類があまりにも不透明で圧倒的な量になっているため、ほとんどの投資家が読むことを諦めていると指摘した。
アトキンスは、2026年に一連の改革を実施すると約束した。企業の開示は「財務上の重要性」、すなわち投資判断に不可欠な情報という基準に基づくべきだという。一方で、ESG原則、役員報酬、DEI目標に関する広範な開示は削減または廃止されるべきだとした。また、新規上場企業が成熟した上場企業に求められるすべての報告要件を満たすまでに複数年の猶予を与える「IPOオンランプ」の延長を提案した。



