さらにアトキンスは、企業の年次株主総会の政治化を解消し、対立を招きやすい委任状関連の議案数を減らして、取締役選任と「重要な企業事項」に焦点を当てることを約束した。最後に、企業の上場意欲をそぐ可能性のある「根拠の薄い訴え」を排除するため、株主訴訟に関する改革を導入すると述べた。
この野心的なアジェンダは、上場企業規制における過去10年で最も重要な改革となり得る。アトキンスがこの難事を成し遂げれば、成長資金の調達手段を検討する経営陣の判断を後押しすることになるだろう。
中国が先行
米国の資本市場改革の必要性を一層切迫させているのが、香港証券取引所の目覚ましい復活である。香港はナスダックとニューヨーク証券取引所を抑え、2025年のIPO市場で首位の座を獲得した。
香港では昨年114社が新規上場し、370億ドル(約5兆5500億円)を調達、初日の平均上昇率は37%を記録した。わずか数年前に中国株を「投資不適格」と見なしていたグローバルファンドマネージャーたちが、勢いを増して戻ってきている。
昨年1月の「DeepSeekモーメント」は、中国が技術超大国として台頭し、最先端分野においてもシリコンバレーに自国の競合企業で対抗できることを浮き彫りにした。中国政府は、技術的自立、輸出主導の成長、そしてグローバル展開に全力を注ぐ姿勢を明確にした。
香港での上場により、中国企業は米国の懲罰的規制への過度な露出を避けつつ、海外資本市場にアクセスし、「グローバル展開」戦略を推進するための買収を行うことが可能になる。一方、香港証券取引所は上場手続きを近代化し、AIやライフサイエンスなどの革新的セクターが必要とする専門性と迅速な審査を提供している。
その結果、中国企業は上場競争で欧米のライバルを打ち負かしてきた。いわゆる「AIタイガー」と呼ばれる企業が相次いで香港でIPOを実施しており、2025年の大晦日に76%急騰したBiren Technologyや、1月の取引初日に株価が2倍になったMiniMaxなどがある。GalbotやAgibotを含む複数のヒューマノイドロボティクス企業が今年、香港でのIPOを計画している。さらに、イーロン・マスクのNeuralinkに対抗する中国のBrainCoは最近、香港でIPO申請を行った。これが実現すれば、世界初の上場ブレイン・コンピュータ・インターフェース企業となる。
公開市場への先行アクセスがこれらの企業に決定的な競争優位をもたらすかどうかは、まだわからない。しかし現時点では、これらの未来産業の株式を保有したいファンドマネージャーにとって、中国が唯一の選択肢となっている。


