——最近の、チャーリー・カーク銃撃事件や、ニューヨーク市長選での急進左派ゾーラン・マムダニの当選についてどう考えているか?
チャーリー・カーク銃撃事件は、単発の事件でないことが重要だ。この1年間に暗殺(未遂)事件は7件も起こっている。暗殺事件数はピークを更新しており、しかも以前ピークである1960年代後半を上回っている。
ゾーラン・マムダニの予想外の当選は、アメリカで二極化とカウンター・エリートの影響力が増していることを示す一つの例だ。マムダニ以外にも急進的な左翼政治家が台頭し、2026年と28年の選挙で躍進すると私は予測している。
——しかし、あなたがエリート過剰生産の代表例としてよく上げているロースクール卒業者数は最近になって減少している。コロナ禍からの回復途上では低所得層の実質賃金は力強く上昇している。アメリカにおいて不安定性は緩和されつつあるのではないか?
エリート過剰生産の代理指標としているロースクール卒業者数はたしかに減少しているが、AIによる仕事の置換によって、そうした人向けの雇用機会はもっと大きく減少している。法律、ビジネス、政策、メディア、政治といった分野に視野を広げるとエリート志願者の予備軍全体は歴史的に見ても以前として巨大で、エリート層内での競争と二極化は以前として続いている。
大衆の窮乏化の代理指標としている労働者の実質賃金だが、たしかにパンデミック後には低所得層と典型的(中央値)労働者の賃金は上昇している。これは明るい材料だ。しかし、そのほとんどが、高インフレで相殺されてしまっている。さらに、過去数十年にわたる賃金の停滞と減少を帳消しにするほどの上昇ではない。他の構造的な問題——格差、住宅・健康保険のコスト、平均余命の縮小のような健康状態の悪化は未解決なままだ。
国家の脆弱性についても、財政逼迫は緩和されていない。財政赤字と政治的行き詰まりは、アメリカ国家の危機管理能力に制約を与え続けている。これは、過去最長の政府機関の閉鎖に見ることができる。さらに、政府機関への信頼は低下を続けている。
私の見解では、第二次トランプ政権の開始(2025年1月)とともに、アメリカは、革命的状況から、実際の革命へと移行したのだ。この革命は、、既存エリートを権力から排除し、アメリカの「文化遺伝子【ゲノム】」と国際舞台における役割を変革しようとする試みを特徴している。
最近、アメリカの構造・人口動態の状況を再検証し、不安定性を引き起こしている主要な構造的要因は、いまだにトレンド反転していないと結論付けている。


