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2026.01.30 12:00

Xのボット問題を葬る、OpenAI「生体認証ソーシャルネットワーク」構想

生体認証(眼球スキャン)用デバイス「Orb(オーブ)」。サム・アルトマンが共同設立した、Tools for Humanityが開発・運用している (C)Tools for Humanity

ソーシャルネットワークはボットアカウントに悩まされてきた

長年にわたり、ソーシャルネットワークはボットアカウントに悩まされてきた。ボットは通常、人間の関与(エンゲージメント)をまねて、暗号資産価格をつり上げたり、ヘイトスピーチを増幅して世論認識をゆがめたりする目的で使われる。とりわけXでは深刻な問題であり、イーロン・マスクがTwitterを買収して名称をXに変え、従業員の約80%を解雇し、投稿のモデレーションやボット排除を担うトラスト&セーフティ(信頼・安全)チームを骨抜きにしたことで、問題は急激に悪化した。

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マスクはTwitter買収前からボットへの「宣戦布告」をしており、2025年には、返信スパムを減らすことを目的とした一斉削除で約170万のボットアカウントを削除した。だが、ボットは依然として問題であり続けている。

2008年以来Xの常用ユーザーであるアルトマンは、同プラットフォーム上のボットに対する不満を率直に表明してきた。2025年9月にはXに、「どういうわけかAI Twitter/AI Redditは、1〜2年前にはなかった形で、とても偽物っぽく感じます」と投稿した。この投稿の数日前にも同様の趣旨を述べ、「デッド・インターネット理論」(dead internet theory)を引き合いに出した同理論は、2016年以降インターネットが非人間的な活動に席巻されてきたとするものだ。アルトマンは「デッド・インターネット理論をそこまで真剣には受け取っていませんでしたが、LLM(AI)に運用されているTwitterアカウントが今は本当にたくさんあるように見えます」と書いている。

OpenAIは、消費者向けで大きな拡散力を持つアプリを作ってきた実績がある。AIを主流へ押し上げたChatGPTは、ローンチから2カ月でユーザー数1億人に達し、現在は8億人を超える。同社のAI動画アプリSoraは、5日足らずでダウンロード数100万件に到達し、成長率はChatGPTより速かった

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OpenAIがSNSの立ち上げに踏み切るなら、厳しい戦いに直面する可能性

それでも、OpenAIがソーシャルネットワークの立ち上げに踏み切るなら、厳しい戦いに直面する可能性が高い。モバイルの1日当たり利用者数でXと同程度になったメタのThreadsアプリと競合する必要があるほか、総ユーザー数4000万人超の新興勢力Blueskyもある。さらに、AIコンテンツの行き先になる競争では、インスタグラムやティックトックといった巨人が先行している。「フィードが、合成されたあらゆるもので埋まり始めています」と、インスタグラム責任者のアダム・モッセリは12月に投稿した。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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