ヘルスケア

2026.01.29 18:00

5分の追加運動、睡眠と食生活の改善 小さな習慣が寿命を延ばす

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英医学誌ランセットに掲載された新たな研究によれば、早歩きを5分延長したり、食生活を少し改善したりするなど、現実的で小さな工夫をするだけで、驚くほど多くの健康効果があるという。長生きを実現するには、抜本的な改革だけでなく、日々の習慣に小さな、しかし継続的な変化を取り入れることが重要だ。

長年にわたり、「週に150分の中程度の運動」や「1日1万歩」といった目標が提唱されてきた。だが、こうした数字は、高齢者や多忙な人、あるいは既に健康問題を抱えている人にとっては気が重く感じられるのではないだろうか? 新たな研究はこの枠組みを変える。「目標を達成できているだろうか?」と問う代わりに、「今よりほんの少しだけ多くやってみたらどうなるだろうか?」と問いかけるのだ。

小さな生活の変化が大きな人生の収穫をもたらす

変化がどれほどの規模であれば「十分」な効果を発揮するのかについて、新たに明確な理解が得られた。研究によると、1日にわずか5分間の中程度の運動を追加するだけで、早期死亡のリスクを減らすことができる。実験では、活動量計を装着した成人のデータを用いて、人々が日常の活動をわずかに増やしたり、座っている時間を少し減らしたりした場合に何が起こるのかをモデル化した。推定によれば、全員が1日当たり5分間、中強度または高強度の運動を追加すれば、かなりの数の早期死亡を防ぐことができる。座っている時間を1日当たり30分程度減らすことが、人口に対する死亡数の減少と関連していた。

また、睡眠、運動、食生活のわずかな改善が、寿命の延長と関連していた。これらの改善は、重篤な疾患のない状態で過ごす年数の増加にもつながっていた。睡眠時間を7~8時間確保し、運動量を増やし、健康的な食事を取るといった、最も優れた習慣を組み合わせた人々は、最も悪い習慣を持つ人々に比べ、寿命が10年近く長かった。

モデルでは、小さな変化が複合的に加わることで、最も悪い習慣を持っていた人の寿命が約1年延びることが示された。改善の幅が大きくなるほど、良好な健康状態での寿命が延びることも分かった。こうした改善は、毎日ジムに通うほどの取り組みではない。これらはむしろ、階段を使うことや、1つ手前のバス停で降りて歩くこと、可能な限り座らずに立つことといった、日常的な選択を変えることを指す。

研究結果は信頼に値するのか?

ただし、これらは観察研究であることに留意しよう。つまり、強い関連性を示すことはできても、因果関係を絶対的な確信をもって証明することはできない。とはいえ、これらの研究は大規模なデータセットや身体に装着できる端末による客観的な動きの測定に加え、死亡や重篤な疾患といった現実世界の状態を追跡するのに十分な期間に基づいている。

今回の研究結果は、先行研究とも一致している。例えば、歩数に関する過去の分析では、歩行量が多い人は歩行量が少ない人に比べて死亡リスクが有意に低いことが判明している。最新の研究はその見解を洗練させ、段階的な改善に伴い効果が拡大することを明らかにした。

現実的な一歩を踏み出そう

多くの人は健康に関する助言に圧倒され、変化をもたらすことは本当に可能なのかと疑いを抱いている。今回の研究の中心となるメッセージは爽快なほど楽観的だ。昨日より今日、ほんの少しでも多く行動することから何かを得るのに「遅すぎる」ことも「手遅れ」になることも決してない。

5~10分間のインターネット閲覧時間を早歩きに変えたり、少し早めに就寝して7時間睡眠に近づけたり、毎日の食事に野菜を1品追加したりすることは、全て現実的な出発点だ。時間の経過とともに、こうした小さな変化が積み重なり、寿命と生活の質の双方に測定可能な向上をもたらす。長く健康的な人生への道はマラソンからではなく、5分間の追加運動や少し早めの就寝、食事のより良い選択から始まるのかもしれない。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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