紙の本、電子書籍、オーディオブック。読書をする若者たちは、これら3つの形態をどのように使い分けているのだろうか。
マーケティングリサーチ会社のアスマークが18〜34歳の読書経験者を対象に実施した調査によると、紙書籍・電子書籍・オーディオブックのそれぞれに明確な役割が存在することが明らかになった。
目的で変わる読書の形
各読書形態の利用理由を尋ねたところ、紙書籍は「話により没入できるから」が42.7%でトップ。電子書籍は「持ち運びがしやすいから」が47.8%、オーディオブックは「スキマ時間で気軽に読める」が36.1%で最多となった。
特にオーディオブックでは「他の作業を行いながら読むことができるから」が30.1%に上り、紙書籍の9.2%、電子書籍の15.4%と比較して「ながら読書」との親和性の高さが際立つ。通勤中、家事中、運動中など、これまで読書時間として活用されてこなかった時間帯が、オーディオブックによって読書時間へと変換されている様子がうかがえる。

デジタルデトックスとしての読書
読書の目的も、SNS疲れを感じているかどうかで異なる。SNS疲れを感じている層では「意識的にひとり時間を確保するため」が36.5%、「一時的にSNSや電子端末から離れるため」が31.0%に達し、いずれの項目もSNS疲れを感じていない層を大きく上回った。
読書場所にも特徴が表れている。SNS疲れを感じている層では、カフェや喫茶店で読書をする人が36.0%に上り、特に女性では40.0%に達した。読書をする際に一緒にする行動では「あたたかい飲み物を飲みながら」が42.0%、「好きな音楽やBGMを聴きながら」が29.0%と、いずれもSNS疲れを感じていない層より高い。

デジタルから意識的に距離を置き、カフェという物理的な空間で、温かい飲み物や音楽とともに読書を楽しむ。そこには、読書を単なる情報収集ではなく「癒しの時間」として位置づける若者の姿が浮かび上がる。
多様化がもたらす可能性
調査が示すのは、若者の読書スタイルの多様化だ。深く没入したいときは紙、移動中は電子、家事をしながらならオーディオ。形態ごとの特性を理解し、状況に応じて使い分ける柔軟性が読書をしやすくしている可能性がある。
常時接続の時代に生きる若者にとって、読書はデジタルデトックスの手段としても機能している。本を読むスタイルの選択肢が増えたことが、これからの読書の可能性を広げていくのかもしれない。
【調査概要】
調査期間:2025年12月23日〜25日
調査対象:18〜34歳の男女400人(直近半年間で読書経験あり)
調査方法:Webアンケート



