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2026.01.31 08:00

71%の企業テック責任者、「経営陣のAIへの期待は非現実的」と回答

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テクノロジー部門の責任者(テクノロジーリーダー)は、逃げ場のない板挟みにある。責任あるAI導入のあり方は理解しているが、その上司は技術──あるいは組織──が追いつけない速度で成果を求める。

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CIOとCTOの71%が、経営陣はAI投資のROIに非現実的な期待を抱いていると回答

Solvdの新たな調査によると、年商5億ドル(約765億円。1ドル=153円換算)超の企業に所属するCIO(最高情報責任者)とCTO(最高技術責任者)の71%が、経営陣はAI投資の投資対効果(ROI)に非現実的な期待を抱いていると答えた。2025年半ばにWakefield Researchが実施した、テクノロジーリーダー500人を対象とするこの調査は、憂慮すべき断絶を示す。回答者の97%がAIの非倫理的利用を心配しているのに、責任ある導入を確保するための正式な社内の監督体制を整備しているのは38%にすぎない。

このギャップは怠慢によるものではない。AI投資に即時のリターンを求める取締役会や経営幹部層からの圧力が高まっていることの表れである。ガートナーは、世界のAI支出が今年2兆ドル(約306兆円)に達すると予測している。

明確な事業目標、変革管理の計画、仕事の進め方の見直しが必要

Solvdの最高技術責任者(CTO)であるスカイラー・ローバックは、「AIは魔法の杖ではありません。道具です」と語る。「真の戦略的価値を得るには、革新的なパイロット(実証実験プロジェクト)だけでは足りません。明確な事業目標、変革管理(チェンジマネジメント)の計画、そして仕事の進め方を見直す意思が必要です。それが難しいところなのです」。

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パイロットや「場当たり的なAI活用」の墓場

この切迫感には理由がある。企業は何年にもわたりAIの実験を繰り返してきたが、リターンは最小限にとどまってきた。これはMIT(マサチューセッツ工科大学)の研究者が「Gen AI Divide」(生成AIの分断)と呼ぶ状況で、デモでは見栄えがしても、本番運用に移行しないパイロットが積み上がっている。

ローバックは筆者に、「何年もの間、企業は『場当たり的なAI活用』──ソリューションが商用製品として成立する形を十分に考えないままのパイロットやAI実験──を繰り返し、わずかな成果しか得られませんでした」と語った。その結果、テクノロジーリーダーはAIの価値を証明しなければ、イノベーションの障害と見なされかねないという圧力が増している。

最大の責務を問う設問では、46%が「AIから収益を生み出す事業戦略を作ること」を挙げる

Solvdの調査は、この圧力がテックリーダーの優先順位を作り替えていることも示す。最大の責務を問う設問では、46%が「AIから収益を生み出す事業戦略を作ること」を挙げ、44%が「データ施策で収益を生み出すこと」を挙げた。これらは、セキュリティ脅威(33%)や人材定着(31%)を上回り、技術変化への追随(40%)さえ上回った。

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翻訳=酒匂寛

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