ブランズウィック港の対中輸出は、米国全体の対中貿易規模と連動している
直近6年間、そして過去14年間のうち13年間にわたり、同港は中国向け乗用車(HSコード8703)の輸出で全米首位を維持し、そのシェアは拡大傾向にある。2025年1月~10月のシェアは89.38%で、6年連続で増加した。
特に重要なのは、2024年に同港の港湾施設が2億6200万ドルの改良工事を完了し、新たな倉庫・荷役スペースを確保したことだ。約50万平米のロールオン・ロールオフ(RORO)貨物区域も新設された。
自動車などの車両は、コンテナのようにガントリークレーンで積み下ろしを行うのではなく、専用の貨物船内に自走で乗り込み(ロールオン)、自走で下船する(ロールオフ)荷役方式で輸送される。
拡張計画の目論見のひとつは、自動車貿易で全米首位を誇るボルティモア港の地位を奪取することだった。そして、この目標は2024年通年で達成された。同年、ボルティモア港はフランシス・スコット・キー橋の崩落により操業に支障をきたしていた。
陸路貿易も含めると、乗用車の貿易額で長く全米最大を誇ってきたのはデトロイトのアンバサダー橋である。昨年10月までは再び首位に立っていたが、直近3年間の総額ではブランズウィック港が上回っている。2025年1月~10月の輸出入総額に占める割合は、デトロイトが11.75%、ブランズウィックが10.59%、ボルティモアが8.73%だった。
ブランズウィック港の対中輸出のみを見ると、減少率52.67%は米国全体での対中貿易の減少率とほぼ一致している。同港が乗用車貿易で圧倒的なシェアを占めていることを考えると、当然の結果といえる。
米国にとって中国向け乗用車輸出の急減は、一時的な貿易の停滞以上の意味を持つかもしれない。


