働く女性の7割が、ライフイベントとキャリアの両立に悩みながら、誰にも相談できないまま退職・転職に至っていた。ユニ・チャームが実施した調査で、この「サイレント退職」の実態が明らかになった。
相談できなかった人が7割
調査によると、妊活・出産・育児などのライフイベントをきっかけに退職・転職した女性のうち、72.1%が上司や人事に十分相談できないまま離職に至っていた。「全く相談しなかった」が34.3%、「相談しようと思ったができなかった」が37.8%と、合わせて7割を超えている。

相談できなかった理由で最も多かったのは「上司には言いづらいと感じた」で50.3%。次いで「家族や友人など社外の人への相談で十分だと思った」(37.0%)、「キャリアに悪影響があると思った」(27.1%)と続く。職場に相談しづらい心理的な壁と、相談できる担当者が不在という環境的な壁の両方が存在していることがうかがえる。

知識不足とロールモデルの不在
退職・転職を検討した理由として最も多かったのは、「ライフイベントを踏まえたキャリア設計の考え方や事例を知らなかった」で42.0%。「ライフイベントとキャリアプランの両立方法を知らなかった」(41.4%)、「身近なロールモデルがいなかった」(34.3%)も上位に入った。

職場全体の知識不足も浮き彫りになっている。コメントには「妊活をきっかけに働き方を変えたかったが、相談できる人がいなかった」「出産に伴い、時短勤務を要望したが受け入れられず、転職した」といった声が寄せられた。
退職を検討した平均年齢は29.6歳。年齢別では25〜29歳が37.5%で最も多く、30〜34歳が30.8%と続く。キャリア形成の重要な時期に、情報や相談相手がいないまま離職を選ばざるを得ない状況が続いている。

声を上げられる環境へ
制度はあっても使えない、相談したくてもできない。そんな状況は、個人の問題ではなく組織の課題だ。「サイレント退職」という言葉が示すのは、声を上げることすら難しい職場環境の存在である。
キャリアか、それとも妊活か。二者択一を迫られるのではなく、両立の道を探るためには、知識の共有と、安心して相談できる関係性の構築が欠かせない。女性が声を上げられる環境を整えることが、今求められているといえる。
【調査概要】
調査期間:2025年11月25日~11月26日
調査対象:現在働いている、または過去働いた経験があり、妊活・妊娠・子育て経験のある25~45歳の女性500人
調査方法:インターネット調査



