北米

2026.01.28 11:00

トランプ米大統領が受けた検査はMRIではなくCT 健康状態に憶測広がる

ドナルド・トランプ米大統領。2026年1月22日撮影(Chip Somodevilla/Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領。2026年1月22日撮影(Chip Somodevilla/Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領は昨年10月にウォルター・リード国立軍事医療センターで磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受けたと述べていたが、主治医のショーン・バーバベラ医師は米紙ウォールストリート・ジャーナルの取材で、実際にはコンピューター断層撮影装置(CT)検査を受けていたと明らかにした。この選択が医学的に何を意味するのか、またこうした画像診断が定期健康診断で役に立つのかという疑問を呼んでいる。

CTとMRIの違い

CTとMRIはいずれも、体内の詳細な画像を生成する高度な画像診断だ。CTは、X線とコンピューター処理を組み合わせて身体の3次元画像を作成する。これにより、医師は臓器、血管、骨、軟部組織を観察することができる。CTはわずか数分間で完了し、脳卒中、血栓、内出血、がんなど重要な病状の検出に広く用いられている。

一方、MRIは磁場と電波を用いて身体のさらに詳細な画像を生成し、脳、脊髄、靭帯、筋肉などの構造を可視化するのに優れている。MRIはCTより時間を要し、通常は30~60分程度かかる。

CT検査は健康診断に役立つのか?

CTは、一般的に健康な人の定期的な診断には使用されない。だが、CT検査は特定の集団の特定の症状に対して、証拠に基づいた明確な役割を果たす。

例えば、米予防医療専門委員会(USPSTF)は、特定の患者に対して肺がん検診として胸部低線量CT検査を推奨している。検査の対象となるには、喫煙歴が20年間以上(年間1日1箱)の50~80歳で、現在喫煙中か過去15年以内に喫煙歴があることが条件となる。この検査により、死亡率が20%程度低下することが分かっている。

さらに、大腸がんの検査では、米疾病対策センター(CDC)によると、大腸内視鏡検査のような視覚的検査の代替としてCTを用いることができる。この検査はX線とコンピューターを用いて大腸全体を可視化するもので、米国の指針では、45歳以降5年ごとの実施が推奨されている。とはいえ、大腸がんの標準的な検査方法は依然として大腸内視鏡検査だ。

最後に、冠動脈石灰化CT検査は、特定の成人の心臓病リスクを評価するために、医師の判断で行うことができる。これは心臓のCT検査で、心臓に血液を供給する冠状動脈と呼ばれる血管内の石灰を含むプラークを検出するものだ。これにより、医師は将来心臓に問題が生じる可能性を評価することができる。この検査は、心臓病の既知の症状がなく、早期心臓病の家族歴がある患者や、心臓病の境界域リスクまたは中間リスクが疑われる患者の多くに最も適している。医師は通常、この検査を指示して患者の心臓病リスクを把握し、コレステロール低下薬の処方などの治療方針決定の指針とし、患者の生活習慣改善を促す。

トランプ大統領の健康状態

現時点では、トランプ大統領がなぜCT検査を受けたのか、完全には明らかになっていない。主治医によれば、この検査は「心血管系の問題に対する懸念を完全に排除するため」に行われたという。冠動脈石灰化CT検査によって、心臓の状態を総合的に評価したのかもしれない。米ホワイトハウスは、大統領が具体的にどのような種類のCT検査を受けたのか、また検査の詳細な結果については明らかにしていないが、結果は「完全に正常」だったとしている。

トランプ大統領が2018年にこの検査を受けた際、石灰化の点数が133であったことは公表されている。この点数は、心臓に血液を供給する血管内のプラークの負荷が中程度であることを示しており、心臓病の存在も示している。しかし、これは同大統領の年齢層では珍しいことではない。この2018年の点数は、コレステロール降下薬に加え、運動などの積極的な生活習慣管理の推奨が必要であることを示唆している。トランプ大統領の石灰化の点数が改善したか否かを評価するために、バーバベラ医師が今回の検査を指示した可能性がある。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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