人気料理人が「ミーム現象」となる韓国特有のポップカルチャー的展開

Baba Images - stock.adobe.com

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最近、韓国で話題を集めているのが、Netflixオリジナルの料理サバイバル番組『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』のシーズン2だ。同番組は、著名料理人を「白スプーン」、知名度は低いが実力のある料理人を「黒スプーン」と位置づけ、階層構造を可視化した対決形式を採るリアリティショーである。

「白スプーン」にはミシュランの星獲得者やメディア露出の多い料理人が顔を揃える一方、「黒スプーン」」側にも人気店のオーナーシェフが多く参加しており、単純な実力差ではなく「評価の差」をテーマとしている点が特徴だ。シーズン1の成功を受けて制作されたシーズン2は、より高い注目を集め、すでにシーズン3の制作も決定している。

料理人を志したのは『将太の寿司』

このシーズン2で優勝したシェフ、チェ・ガンロクが、現在、韓国のSNSでミーム的な人気を獲得している。

チェ・ガンロクは新人ではない。10数年前、料理番組『マスターシェフ・コリア2』で優勝し、一度は全国的な知名度を得た人物だ。『白と黒のスプーン』のシーズン1には「白スプーン」として出演したものの優勝を逃し、シーズン2で再挑戦。隠し玉的存在として登場し、審査員2人の満場一致でチャンピオンに選ばれた。

決勝後、「自分は特別な天才ではなく、全国で黙々と働いている料理人の1人だ」と語った謙虚なコメントも、多くの視聴者の共感を呼んだ。

チェ・ガンロクの経歴には、日本との意外な接点もある。料理を志したきっかけは寺沢大介のコミック『将太の寿司』で、韓国では『ミスター寿司王』というタイトルで翻訳され、社会現象的な人気を誇った作品だ。

チェ・ガンロクは兵役後に同作を読み、料理を始め、のちに辻調理師専門学校で学んだ経験を持つ。『マスターシェフ・コリア2』出演時には「『ミスター寿司王』を見て料理を学んだ」と発言し、コミックに登場した料理を再現する姿が「料理天才」として注目された。

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文=アン・ヨンヒ

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