リーダーシップ

2026.01.29 13:00

既存の変革モデルが機能しない時代、リーダーシップはどうあるべきか

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従来の「変革の論理」が崩れた理由

企業における大規模な変革の大半は、3つの隠れた前提に依存している。つまり、外部環境が概ね予測可能であること。新たな働き方を定着させるのに十分な期間、内部の優先事項が一貫性を保っていること。そして、企業内部の人々が、「存続を脅かすような危機」を絶えず探るような必要がなく、変化に集中できること。この3つだ。

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現在は、これら3つの前提すべてが脆い状態にある。

地政学的緊張の高まりや、政治的シグナルに対する市場の急激な反応を従業員が目にする時、彼らの安心感は揺らぎ始める。注意は外へ向かい、人々は慎重になる。差し迫った不確実性に比べると、企業の長期的変革は抽象的に感じられる。リーダーは企業文化の変革を語るかもしれないが、従業員は、次の混乱が何をもたらすのか、懸念を抱くだろう。

筆者は、まさに外部環境の不確実性が急増するタイミングで、各社が野心的な変革プログラムを開始するのを目にしてきた。意図は健全だった。設計も周到だった。しかし、プログラムの半ばで、従業員たちは躊躇し始めた。変革に反対したからではなく、長期的な何かにコミットすること自体にリスクを感じたからだ。

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世界が不安定だと感じられる時、人々はエネルギーを節約する。再びエネルギーを投資しても安全だという合図を待つのだ。

これは、人々が変革に抵抗しているという意味ではない。変革にコミットすることに苦闘しているという意味だ。コミットするには、未来への確信が必要だ。未来に不安がある時、人々はエネルギーを温存する──待つのだ。

リーダーはこのためらいを「関与からの離脱」と誤解しがちだが、実際には適応的な行動だ。状況が不安定なとき、人は努力しようとする前に「安全のシグナル」を探すようになる。

「安定のための変革」を設計するという問題

変革プログラムの多くは、安定が常態で、混乱が例外であるかのように設計されている。それらは、固定されたマイルストーン、直線的なタイムライン、明確な最終状態に依存している。外部環境が変化すると、こうしたプログラムは脆さを感じさせる。

ここでリーダーは、ジレンマに直面する。計画を貫き、覚悟を示すか? それとも、適応して、一貫性がないように見えるリスクを冒すか? そのどちらの選択にも代償が伴う。方針を維持すれば、リーダーが現実から乖離しているように映る可能性があり、絶え間ない調整は、変革がエンドレスに続き、一貫性がないと感じさせる恐れがある。

多くのリーダーがここで行き詰まる。彼らは、もはや通用しない前提を守りながら変革を実行しようとする。組織は、その不一致を察知し、信頼は静かにむしばまれていく。

現在破壊されているのは、変えようとする意志ではなく、変革モデルそのものなのだ。

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翻訳=藤原聡美/ガリレオ

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