「成長の過程ではメンターの導き、アドバイザーやパートナーによる多くの助言がなければ、事業をここまで成長させることは出来ませんでした。大きな夢を叶えるためには、その過程で人々の助けが必要です」と、フレイスは話した。
今、フレイスとハイマンは、彼女たちがそうしてもらったように、起業家らを手助けしたいと考えている。二人はスイスのUBS銀行とパートナーシップを結び、 Project Entrepreneurを始動。女性起業家らが社会的影響力のあるビジネスを立ち上げることを推進する。
彼女らとUBSの担当者は、このプロジェクトの必要性を次のように見ている。
2014年の米カウフマン財団の報告によると、米国内のビジネスの3分の1が女性経営者によるものだが、成長率の高い企業における女性創業者の数は全体の10%に満たない。
「女性が起業した会社では事業に対するひたむきさを強く感じます。しかし、その一方で、大規模で成長性が高い分野には女性経営者の数が非常に少ないと感じます」とUBSアメリカの地域業務部長、ローリー・フェインシルバー氏は話した。
Project Entrepreneurは金融機関からの出資が10万ドルに満たない、女性起業家らが参加可能なビジネスコンペだ。2016年1月8日までにオンラインから応募し、上位200位までに勝ち残ったチームは、ニューヨークで行われる2日間のブートキャンプに参加できる。
ここでふるいにかけられた約20チームが、投資家らにビジネスを売り込むチャンスを与えられる。優秀な3チームには賞金の1万ドルも用意されている。さらに、オプションとしてレント・ザ・ランウェイのオフィス内に5週間の期間限定ショップを立ち上げることが可能だ。
フレイスによると、女性起業家らは男性と比べ、スケールの大きなビジネスを投資家らにプレゼンする能力に恵まれていないという。
「一般的に女性は現実的で、会社の財務面でも慎重な判断をします。男性はというと、何かに夢中になると“ダメもとでやってみよう”と考える傾向が強いのではないでしょうか」
リスクに対する姿勢の違いからか、女性起業家はベンチャーキャピタルから多額の出資を受けるケースが少ない。(投資家らがハンサムな男性のピッチを歓迎する傾向にあることも影響しているかもしれない)。UBSは今後3年間にわたり、Project Entrepreneurの活動を支援していくという。
フレイスは言う。
「私たちは、ベンチャーキャピタルにピッチし、資金調達して起業する女性たちの数を増やしてきました。いまだに容易ではありませんが、女性たちが大きなビジョンを描き、事業を成長させるチャンスを広げていきたいのです」