北米

2026.01.27 12:30

米連邦職員の市民射殺めぐり共和党内に亀裂、被害者の銃所持を擁護 ペンス元副大統領も「憂慮」

米ミネソタ州ミネアポリスで、移民・税関捜査局(ICE)の取り締まり活動と連邦職員による市民殺害に抗議してデモ行進する人々。2026年1月25日撮影(Scott Olson/Getty Images)

米ミネソタ州ミネアポリスで、移民・税関捜査局(ICE)の取り締まり活動と連邦職員による市民殺害に抗議してデモ行進する人々。2026年1月25日撮影(Scott Olson/Getty Images)

米ミネソタ州ミネアポリスで移民・税関捜査局(ICE)の取り締まり活動に抗議していた市民を連邦政府の国境警備隊員が射殺した事件を受け、マイク・ペンス元副大統領は26日、「深く憂慮すべき事態だ」との声明を発表した。射殺の正当性に疑問を呈し、トランプ政権の姿勢と距離を置く共和党議員が増えている。

第1次トランプ政権で副大統領を務めたペンスは、24日に米国人男性アレックス・プレティさんが射殺された事件を「悲劇的」と表現。「この連邦職員が関与した銃撃について、完全かつ透明性のある調査を直ちに実施しなければならない」と述べた。

トランプ政権は、被害男性が捜査官らに対して差し迫った危険をもたらしたと主張して射殺を擁護しているが、共和党内では事件に対する政権の対応に不快感を示す声が広がりつつある。

ビル・キャシディ上院議員(ルイジアナ州選出)は「ICEと国土安全保障省(DHS)の信頼性が危機に瀕している」と指摘。トム・ティリス上院議員(ノースカロライナ州選出)、ピート・リケッツ上院議員(ネブラスカ州選出)、リサ・マコウスキー上院議員(アラスカ州選出)らと共に、事件についての調査を要請した。

米下院・国土安全保障委員会のアンドリュー・ガルバリーノ委員長(共和党・ニューヨーク州選出)は25日、公聴会にICEと税関・国境取締局(CBP)、米移民局(USCIS)の幹部職員を呼び、「各当局の監督状況と国土を守る義務を確実に果たしているか」について証言するよう要請したことを明らかにした。

共和党の州知事からも、トランプ政権の移民取り締まり強化戦術への批判の声が上がっている。オクラホマ州のケビン・スティット知事は、「米国民は現在目撃している事態を快く思っていない」と発言。バーモント州のフィル・スコット知事も「米国市民が、政府に抗議するという神から授かった憲法上の権利を行使したことにより連邦職員に殺害されることは容認できない」と訴えた。

ドナルド・トランプ大統領の強力な支持者である下院監視・説明責任委員会のジェームズ・カマー委員長(ケンタッキー州選出)も25日、ICEがミネソタ州での取り締まり活動を継続すべきかどうかに疑問を呈し、「市長と州知事がICE職員を危険に晒し、さらに多くの罪のない人命が失われる恐れがあるのなら、別の都市に移動したほうがいい。そして『不法移民をこれ以上受け入れるのかどうか』はミネアポリスの市民に決めさせればいい」とFOXニュースに語った。

今後の注目点

トランプ大統領は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに、今回の事件に関して「すべてを見直している」と述べたが、連邦職員の対応が適切だったかどうかについては言及を避けた。クリスティ・ノーム国土安全保障長官は25日、プレティさんの死に関する調査の一環として「すべての動画を分析し、何もかもを調査する」と発言。匿名の国土安全保障省報道官はNBCテレビに26日、射殺に関与した職員が装着していたボディカメラの映像も調査中だと語った。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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