「被害者の銃所持」に擁護の声広がる
ペンス元副大統領は、「米国民は(中略)武器を所持・携帯する権利を尊重され、保護されるに値する」とも述べ、プレティさんが合法的に銃を携帯していたことが射殺された一因として正当化されるとする一部の共和党議員の主張を否定した。銃の権利を擁護する人々の間では、同様の反発が広がっている。
きっかけとなったのは、カリフォルニア州南部地区連邦検察のビル・エッセイリ筆頭連邦検事補(共和党)が24日にSNSに書き込んだ、「銃を持って法執行官に近づけば、射殺されても法的に正当化される可能性が高い。そのようなまねはするな!」との警告だ。
この投稿には、複数の銃権利団体がすぐさま反論。米銃所有者協会(GOA)は「銃を外から見えない状態で携帯する許可証を所持し、合法的に銃を携帯して接近する人を、連邦捜査官が『銃撃』することが『法的に正当化される』可能性が高いわけではない。(合衆国憲法)修正第2条は、米国民が武器を所持したまま抗議活動を行う権利を保護しており、連邦政府がこの権利を侵害してはならない」とSNSに投稿した。
全米ライフル協会(NRA)も、エッセイリの発言は「危険で誤っている」と評した一方、その責任は「過激な進歩派の政治家」にあると主張。「正当な法執行活動に危険なかたちで介入するよう呼びかけ」たが「その帰結は暴力だった」との見方を示した。
現場にいた複数の人が撮影した映像によれば、プレティさんは合法的に銃器を携帯していたものの、射殺される前に国境警備隊員に取り上げられたようだ。これはトランプ政権側の説明と矛盾する。ノーム国土安全保障長官は、国境警備隊員の発砲を「正当防衛によるもの」と主張。国境警備隊のダン・ボビーノ司令官は、プレティさんが銃を携帯して抗議デモに参加したことを根拠に「法執行官に最大限の損害を与え、虐殺しようとした」との主張を展開した。
これまでの経緯
被害者のプレティさん(37)は集中治療室(ICU)担当の看護師で、24日にミネアポリスでICEの移民取締り活動に抗議するデモに参加していた際に射殺された。事件の映像では、片手に携帯電話を持ち、もう片方の手には何も持たずに連邦捜査官に近づく姿が映っている。
数秒後、プレティさんは別のデモ参加者が連邦捜査官に催涙スプレーを噴射されそうになったのを阻止しようとし、自身も催涙スプレーを浴びせられた後、複数の捜査官に地面に押さえつけられた。少なくとも10発の銃声が聞こえたが、その前に捜査官がプレティさんの所持していた銃を取り上げたように見える。
ミネアポリスで市民が連邦職員に殺害されるのは2人目だ。トランプ政権は1月7日に射殺されたレニー・グッドさんについて、ICE職員を車で轢き殺そうとしたと主張し、法執行機関に脅威をもたらした人物として描写しようと試みたが、これは映像証拠と矛盾している。24日の事件でも、国土安全保障省は当初、プレティさんが「9mm口径の半自動式拳銃を手に国境警備隊員に接近し」、職員が武装解除を試みた際に「激しく抵抗した」と主張していた。


