キャリア

2026.02.01 15:00

アスリートお手本に「集中力」管理、45分×2セットの「90分マインドセット」でキャリアを築く

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“集中力”管理──作業が中断されると、生産性は落ちる

科学もマカードルの主張を支持している。深い集中作業(60〜90分)ができるほど1つのタスクに長く取り組み、その後回復のための休憩をとると、脳は最高のパフォーマンスを発揮する。生産性を専門とするコーチや神経科学者は、複雑な仕事のために「1日1〜2回の中断されることのない90分セッション」を持つことを推奨している

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仕事の中断で生じるコスト

作業が中断されると生産性が落ちることが研究で示されている。頻繁に作業を切り替えることで集中できなくなり、注意は細切れになり、ミスが増え、意思決定の質が下がる。なぜなら脳は、そのたびに「精神のギア」を切り替えなければならないからだ。人は中断を埋め合わせるために作業のスピードを上げるが、その代償は大きい。生産性に対する不安や不満、時間のプレッシャー、そしてバーンアウトの可能性が高まる。

90分といった長めの集中は人間の自然な注意のリズムと一致し、集中した作業が行える。自然な概日リズムに沿った構造化された作業間隔は、構造がない働き方と比べて認知パフォーマンスを最大40%向上させる。90分ごとに戦略的に休憩を取るプロフェッショナルは、作業をずっと続ける人よりも精度が35%高く、精神的疲労は60%少ないと報告している。

たとえば、あなたがプロジェクトに深く没頭しているとする。そこへスマホが鳴る。電話に出る。すると気づけば、まだ終わらせていない別の仕事に引き込まれている。気持ちを切り替えるたびに、脳は「自分がどこまでやっていたか」を思い出すために記憶を探り、それが勢いと時間を奪い、ミスを生む。

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米経営学誌ハーバード・ビジネス・レビューに2022年に掲載された研究では、平均的なデジタルワーカーは1日に約1200回、アプリやウェブサイトを行き来していることが示された。また、アプリを切り替えたあとの「状況の思い出し」に週に約4時間を費やしていることも明らかになった。1年換算で約5週間分の労働時間、つまり年間労働時間の約9%が作業の切り替えによって失われている計算になる。

成長し、ビジネスも前進

マカードルは、90分マインドセットを導入すれば、20週間分の深く集中した仕事が通常なら1週間でできるようになると主張する。なんと20倍のリターンだ。

「本当の生産性は、ノートパソコンを操作する、あるいは机にいる時間から生まれるのではない」とゼハヴィは話す。「人工知能(AI)によってこのリズムはさらに強力になっている」と語り、誰でも90分マインドセットを取り入れることができるとゼハヴィは断言する。「集中と回復を守ること。そして、意図や共感、ビジョンをもって導けるようテクノロジーを活用することだ。なぜなら、そうした取り組みこそが人とビジネスを本当に前進させるものだからだ」というのがゼハヴィの結論だ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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