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2026.01.27 09:00

金価格が史上最高値「5100ドルを突破」、銀は8%超上昇

Shutterstock.com

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米国時間1月26日、ドル安と世界的な不確実性の高まりを背景に、金と銀はともに過去最高値を更新した。金価格は初めて5100ドル(約78万5400円。1ドル=154円換算)を突破し、銀は8%を超える上昇となり、過去最高となる110ドルを上回った。

米東部時間午前9時45分時点での金価格は5086.40ドルで、同日早くに付けた史上最高値5107.90ドルからはやや下落している。

同時点での銀価格は110.56ドル(約1万6940円)で、9%超の上昇となったものの、この日早くに記録した最高値110.92ドルからはわずかに下げている。

キャピタル・ドットコムのシニア市場アナリストであるカイル・ロッダは、26日早朝に公開されたロイターの記事の中で、今回の急騰は「米国政権および米国資産に対する信認の危機」を反映していると述べた。その要因として、カナダに対する最新の関税脅しや、グリーンランド掌握をめぐって欧州諸国に発した過去の威嚇など、「トランプ政権による予測不能な意思決定」を挙げている。

ファースト・イーグル・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネージャーであるマックス・ベルモントは、ブルームバーグに対し、金は「信頼の逆指標」だと語った。安全資産である金価格の急騰は、「予期せぬインフレの発生、市場の想定外の下落、地政学リスクの再燃」に対するヘッジだとしている。

一部のアナリストは、26日の価格急騰について、トランプによる新たな関税の脅しが要因だと指摘している。その中には、中国と貿易協定を結んだ場合、カナダに100%の関税を課すとする脅しも含まれる。トランプは先日、トゥルース・ソーシャルへの投稿の中で、「中国はカナダを完全に食い尽くし、企業、社会構造、生活様式全体を破壊するだろう」と述べた。

このカナダに向けた関税の脅しは、米国のグリーンランド掌握への意欲に反対する欧州諸国に対して関税を課すとした過去の発言に続くものだが、その脅しについてはすでに撤回している。グリーンランドをめぐるトランプの動きに加え、ベネズエラ指導者のニコラス・マドゥロの拘束といった他の出来事も、1月に入って貴金属価格を押し上げる要因となっており、投資家は安全資産としての金と銀に資金を移している。

メイバンクのアナリストは、貴金属価格が上昇する背景として「地政学的ホットスポット」を挙げるリポートを発表し、「グリーンランドの鉱物資源を支配し権利を確立しようとするトランプの意図、イランへの攻撃、ベネズエラを占拠する計画」などを例示した。さらにドル安も金と銀を史上最高値へ押し上げる要因となっており、キャピタル・ドットコムの市場アナリストであるダニエラ・ハソーンは、「米ドル、およびより広範な通貨秩序に対する信認の危機が深まっている」と指摘している。

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翻訳=江津拓哉

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