経済・社会

2026.01.26 17:15

ダボス・リポート2026 (4) 実現まで「数年」か「10年」か──AGI開発のトップランナーが語る「安全性」と「スピード」のジレンマ

この時期のダボスは宿代が法外に高い。だから私はいつも電車を乗り継ぎ、1時間以上かけてダボスの会場に通っている。乗り継ぎに遅れようものなら大変だ。次の電車が来るまで、寒空のなか1時間近く待たされる。

世界経済フォーラム年次総会(通称「ダボス会議」)開催4日目の朝、電車内にはスーツケースを抱えた参加者たちの姿が目立った。最終日を待たずして去る人々は、例年それなりの数にのぼる。ああ、今年のダボスも終盤なのだと実感する。

会場では今日も熱を帯びたセッションや各国首脳のスピーチが続いた。昼過ぎに行われたウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の演説ではスタンディングオベーションが起きた。ロシアによるウクライナのインフラへの執拗な攻撃は市民生活を蝕み、冬の闇を一層深くしている。ゼレンスキー大統領は国際社会に対し、より強力な圧力と制裁の強化を求めた。

演説の核心は、ヨーロッパへの痛烈な問いかけだった。NATOや米国への依存を超え、独自の防衛体制を構築せよ━━。ロシア製ミサイルを支える国際的な部品供給網を断ち、凍結資産を活用し、真の団結を示すべきだと訴えた。

ウクライナのために、私たちにできる具体的なアクションは何か。そう問われたゼレンスキー大統領は、聴衆に対してウクライナでのビジネス展開を呼びかけた。

「今は少しリスクがあるかもしれませんが、(ウクライナには)あなたたちのオフィスや会社が必要です。それは、あなたがウクライナに平和が訪れると信じているということを意味します。いま投資して、ウクライナの人々に仕事を与えることが、あなた方にできる本当の支援です」

ダボス会議で語られた、AIについて知っておきたい「3つの核心」

国家元首や政治家の発言に注目が集まる今年のダボスだが、会場ではAI(人工知能)関連のセッションも数多く開かれている。AIが描く社会の輪郭、私たちの日常に訪れる具体的な変化、AI開発のタイムラインなど、対話のテーマは多岐にわたる。ビジネスパーソンなら押さえておきたい内容ばかりだ。

AIのエキスパートやCEOたちは、AIを取り巻くさまざまな疑問や課題にどう向き合っているのか。今回は、ダボスの会場で話し合われた「AIと人間の未来」について、ビジネスパーソンが知っておくべき内容をダイジェストでお届けする。

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文=瀬戸久美子 写真=世界経済フォーラム

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