Q2. AIは人間の「同僚」になれるのか?
翌21日に行われたセッション「The Intelligent Co-Worker」(賢い同僚)にはボストンコンサルティンググループ(BCG)、HP、Hypocratic AI、Workera、Aminiから5人のCEOが登壇し、人間が「デジタルの同僚」とともに働くうえで必要なことを話し合った。
セッションでは、とりわけ組織変革の困難さが強調された。BCGのクリストフ・シュバイツァーCEOは、企業のAI導入を成功に導くためには人々の働き方を変える必要があり、そのためには仕事のプロセス、組織のあり方、インセンティブ、スキル、リーダーシップ、カルチャーを見直す必要があると主張した。
こうした課題に対し、具体的な解決策が話し合われた。Workeraのキアン・カタンフォルーシュCEOは「AIメンター」による継続的なスキルアップの可能性に触れ、働く人に対して適切な目標を設定し、良い報酬を与え、効果的に評価して(エクセレントな状態との)ギャップを理解させることの必要性を訴えた。他のパネリストからは、組織に変革をもたらすためにはボトムアップではなくトップダウンのアプローチが大切だとの指摘もあった。
興味深かったのは、「AIに対する評価が、人間の従業員よりも厳しくなりすぎてはいけない」という意見が、複数のパネリストから出たことだ。
「例えば、私たちはコールセンターでAIモデルを使っているが、完璧ではない。間違った答えを出すこともある。しかし多くの場合、何年もその仕事をしてきた人間よりも正確だし、顧客が電話をかけてきたときの満足度もはるかに高い。AIへの要求水準をどの程度に設定するかを見極めることが必要だ」(HPのエンリケ・ロレスCEO)
「人間の場合、採用し、オンボーディングし、指導し、成長させ、フィードバックを与え、より大きな役割に昇進させたり、ときには手放したりする。AIエージェントやAIソリューションも同様に扱うべきだ。オンボーディングやトレーニングを疎かにしてはいけない」(シュバイツァー)
最後に、「AIエージェントを導入する際に組織が犯しているミスは何か」という質問に対して、パネリストからは「人間の『特別さ』を見失うこと」という声が挙がった。
「曖昧さへの対応、判断力、共感、ケア、他者をモチベートする力など、人間にしかできないことは今後ますます重要になる。これら(人間が持つ特別な能力)を見失えば、組織は大きな問題を抱えることになるだろう」(シュバイツァー)


