サイエンス

2026.01.30 18:00

超高速で走る肉食の鳥「恐鳥類」は、いかにして絶滅したのか

フォルスラコス科「恐鳥類」のイメージ(Shutterstock.com)

フォルスラコス科「恐鳥類」のイメージ(Shutterstock.com)

進化は時に、SF映画から抜け出してきたかのような、ありえないほどクールな動物や、想像を絶するほど恐ろしい動物を生み出し、私たちを驚かせる。「恐鳥類(Terror Birds)」は、まさにそんな例の1つだ。

恐鳥類の1つであるフォルスラコス科(Phorusrhacidae)は、大型で飛翔能力をもたない捕食性の鳥であり、数千万年にわたって南米大陸の大部分を支配していた。彼らが生態系の中で果たした役割は、現生のほとんどの鳥類とは異なり、私たちが通常、大型のネコ科・イヌ科動物と結びつけるようなものだった。化石証拠からは、恐鳥類がスピード、攻撃力、大胆さを兼ね備えた捕食者であったことがうかがえる。そして、ここ10年で行われた詳細な分析から、彼らの生態の細部が明らかになりつつある。

近年の研究により私たちは、これらの鳥がどのように生きていたかを、これまでよりも高い解像度で語れるようになった。これにより、「恐鳥類」という不穏なニックネームの由来についても理解が深まった。捕食者、生態系、進化の限界について考える上で、彼らとその絶滅がなぜ重要であるかを、以下で見ていこう。

恐鳥類とはどんな動物だったのか

恐鳥類が繁栄していた時代は、おおむね新生代(非鳥類型恐竜が絶滅した後、約6500万年前から始まった哺乳類の時代)の初期である暁新世から鮮新世までのあいだで、南米大陸では最も多様化していた時代だ。

彼らはけっして、判で押したようにどれも似通った姿をしていたわけではない。恐鳥類に含まれる種には、比較的小型でほっそりした高速走行を得意とする種もいれば、頭高が2mを超える堂々たる体躯の種もいた。

このような多様性がありつつも、彼らのシルエットには、わかりやすい共通点があった。走行に適した長い脚、退化し縮小した翼、相対的に大きな頭、そして厚みのある鉤形のくちばしだ。

2024年に学術誌『Proceedings of the Royal Society B(王立協会紀要B)』に掲載された論文によれば、恐鳥類は多くの人々が抱くイメージとは異なり、鳥類界における異端の存在ではなかった。彼らの形態は実際には、地上性かつ大陸性の捕食者として、生息環境に高度に適応したものだった。

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翻訳=的場知之/ガリレオ

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