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2026.01.29 08:15

ドラえもんからアトムまでAI共生の設計指針を筑波大学が分析

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AIはもはや便利な道具を超えて、人の悩みを聞いたり励ましたりしてくれる存在になった。だが、ドラえもんのように「人情」に厚いわけではない。ユーザーのプロンプトに対してそれらしく生成した言葉に、人間が勝手に感情移入しているに過ぎないのが現状だ。

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とは言え、今後どんどんAIが進歩していけば、いずれはもっと人間に近い存在になることは間違いない。そうした進化の道筋を、アニメやSF映画に登場するAIから学ぼうという提案が筑波大学によってなされた。

筑波大学システム情報系の星野准一准教授らによる研究グループは、映画、アニメ、文学、ゲームなどのフィクション作品に登場するAIが、人間とどのような共生関係にあるかを体系的に分析したところ、フィクションのAIの描かれ方が、「単なる道具的存在」から「対等なパートナー」へと役割や位置づけが段階的に変化していることを明らかにした。

この研究の概念フレームワーク。擬人化、ナラティブ・アイデンティティー(人生の物語から見た自己同一性)、心の知覚(AIに心があると感じる心理)の3つを理論的基盤とし、フィクションに登場するAIの主観的体験の分析、クラスタリング、意味統合により整理した。これが倫理的課題の模擬体験になり、文化的、倫理的に人と共存するAIの設計指針になる。
この研究の概念フレームワーク。擬人化、ナラティブ・アイデンティティー(人生の物語から見た自己同一性)、心の知覚(AIに心があると感じる心理)の3つを理論的基盤とし、フィクションに登場するAIの主観的体験の分析、クラスタリング、意味統合により整理した。これが倫理的課題の模擬体験になり、文化的、倫理的に人と共存するAIの設計指針になる。

分析に使用したのは、1950年代から2020年代にかけて発表された42作品。物語のなかで明確な役割を持ち、人間と継続的に関わるAIキャラクターが描かれているものを選んだ。そして、AIキャラクターの名前、人間との関係性、自律性、感情表現などの観点を設定し、台詞や行動を整理し、「人とAIの共存に対する文化的・感情的な受容の形成過程を比較可能な形で評価」したということだ。

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フィクションに登場するAIキャラクターの累計分布。左上のCaregivers(世話役)にドラえもんとプラネタリアンの名前がある。その下のPartners(パートナー)には鉄腕アトムが、右下のEnfoecer(用心棒)にはターミネーターが分類されている。
フィクションに登場するAIキャラクターの累計分布。左上のCaregivers(世話役)にドラえもんとプラネタリアンの名前がある。その下のPartners(パートナー)には鉄腕アトムが、右下のEnforcer(用心棒)にはターミネーターが分類されている。

そうすることで、AIキャラクターと人間との関係性の変遷が明確にされた。これは、人間がAIをどのように理解し受け入れてきたかを知る「文化的認識」の変遷を反映しているという。

研究グループは、この研究成果が今後のAIキャラクターの設計指針として活用され、AI倫理やAIの社会受容に関する議論の新たな基盤になることを期待している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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