ドメーヌ・ルフレーヴ。権威あるイギリスのワイン専門誌「デキャンタ」で白ワイン生産者としてNo.1に選ばれるなど、ブルゴーニュを代表する白ワインの有名ドメーヌだ。
ルフレーヴ家は、人口わずか400人ほどの小さな村ピュリニー・モンラッシェで、1717年からワイン作りを続けてきた。20世紀初頭、栽培から醸造までを自社で行う「自家元詰め」を始めたジョゼフ・ルフレーヴ氏が中興の祖となり、「ルフレーヴ」のラベルでのワインづくりを開始、現在はジョゼフ氏のひ孫にあたる4代目当主、ブリス・ド・ラ・モランディエール氏がドメーヌを率いている。
異色なのは、モランディエール氏の経歴だ。2015年にファミリー内での話し合いで当主として選ばれるまで、パリとフィラデルフィアに拠点をおく上場企業を経営してきた。そのキャリアを捨てて当主となったモランディエール氏に、家族経営のブランドを率いる意思決定、いかに老舗を未来に繋いでいくかについて話を聞いた。

──ブルゴーニュのクリマ(多様なテロワールを反映した区画に分かれたぶどう畑)が世界遺産になって10年が経ちました。昨年7月にはその記念式典の会場にこのルフレーヴのセラーが選ばれ、まさにブルゴーニュを代表するブランドとなっています。地価の高騰や地球温暖化など、今、ブルゴーニュは変革の時にあると思いますが、そんな中でこのブランドを率いることになった経緯を教えていただけますか?
幼い頃からルフレーヴのワインに親しんで過ごしましたが、大学で経済を学び、ビジネスの世界に身を投じました。先代であるおばのアンヌ・クロードが亡くなった際に、親族のなかで、後継者を誰にするかという話し合いが行われ、選ばれたのです。
──家族経営の会社を運営するというのは、難しさはありませんか?
難しくもあり、そうでもないと言えるでしょう。初代である曽祖父と血が繋がった55人の親族のなかで、ドメーヌで実際に働いているのは私だけですが、重大な内容の場合は意思決定は親族全員で行い、ガバナンスに関するルールブックがあります。
曽祖父と血の繋がりがある全員がそれぞれ株を持っていて、株は親族以外には売りません。基本的に子供の数でその株を割っていくので、一人のパーセンテージはそこまで大きくありませんが、子供が30歳くらいになると、親から株を引き継ぎ、ルールブックを受け取り、投票と話し合いでの意思決定に参加するようになります。



