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2026.02.02 15:15

「小さいことは美しい」 ブルゴーニュ名門当主の経営哲学

ドメーヌ・ルフレーヴの4代目当主、ブリス・ド・ラ・モランディエール(c)Domaine Leflaive

ただ、金額が大きくない日常的な判断は私個人が行い、中程度の重要度のものは、数人のファミリーで構成され、月に一度行われる取締役会で判断、そして重要なことは全員で話し合います。家族だからこそ、お互いの性格もよく知っていますし、発言しないメンバーも、本当は言いたいことがあるのではないかと気を配って水を向けたりもします。全員一致は難しいですが、ディスカッションをして物事を判断していきます。

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大切なのは、家族だからといって、馴れ合いにはしないこと。私は彼らから会社を預かっている立場だということを忘れないことだと思います。お互いを知っているからこその難しさもありますが、逆に考えると通常の会社経営同様だともいえます。彼らを株主としてきちんと扱い、過程を明瞭にし、フェアにその意見をまとめていくことが重要です。

──今、特にブルゴーニュにおいて、土地の高騰は大きな問題だと聞きます。

そうですね。ここ35年、私たちはピュリニー・モンラッシェの土地を購入できていません。あまりにも高価すぎるためです。そして、土地価格はつくるワインの価格にも跳ね返ります。私たちのつくるワインが全く手の届かないものであって欲しくないと思い、ここ10年ほどは(ブルゴーニュの南部に位置する)マコンの土地を増やし、ワイナリーも建設しました。ぶどう畑のサイズはモンラッシェと同じくらいです。

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ルフレーヴには約40人の従業員がいますが、ピュリニー・モンラッシェとマコンで半分ずつが働いています。比較的手の届きやすい価格帯のマコンのワインも、私たちの先祖代々の名前「ルフレーヴ」として出しています。

──温暖化に対応するため、イギリスなど寒冷地にぶどう畑を買うドメーヌもあります。

イギリスのコッツウォールは、ピュリニー・モンラッシェと同じ粘土と石灰で、地理的な時代も同じなのでいいエリアだなとは思いますが、私たちは今の所、ファミリーとの関わりの深いブルゴーニュでしか考えてはいません。

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文・文中写真=仲山今日子

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