経営・戦略

2026.01.27 08:30

真のAIブームは、エヌビディアではなく「天然ガスと銅」にある

Joe Raedle/Getty Images

Joe Raedle/Getty Images

Google Inc.およびグループ企業の持株会社であるアルファベットは、エネルギー開発企業の買収に47億5000万ドル(約7370億円)を支払った。メタはビストラ、オクロ、テラパワーと合計6.6ギガワット分の原子力契約を締結した。ドナルド・トランプ政権は、PJMインターコネクション(編集注:米北東部の地域送電機関)に対し、データセンター向けに限定した緊急の電力容量オークションを実施するよう圧力をかけている。

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これらはエネルギーの話ではない。AIの話である。そして、この分野のボトルネックがどこへ移動したのかを示している。

AIによる富の第1波を生み出したのは半導体だった。しかし次の制約は、より単純だ。電力と金属である。ハイパースケーラーが送電網の制約や、タービンの調達に数年を要するという現実に直面する中で、価値は、迅速に電力を供給できる企業、そして送電網に必要な金属を供給する企業へと移りつつある。

現在、この機会を定義しているのは3つの力学である。未利用のガス資源を収益化するガス生産者、スケジュールを支配するタービンメーカー、そして構造的な希少性をもつ金属の供給業者だ。それぞれは、さまざまな時間軸で機能し、さまざまな投資家に報いる。

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ガス生産者は「取り残された分子」を収益化

最も示唆に富むAIプロジェクトは、シリコンバレーの内部にはない。それは、ガス資源は豊富だが送電網が乏しい地域に存在している。

シェブロンは、テキサス州西部でデータセンター向けに設計された、2.5ギガワット規模のオフグリッド天然ガス発電プロジェクトを前進させている。2027年の稼働開始を目標としており、その発電容量は将来的に5ギガワットまで拡張される可能性がある。同社は、エンジン・ナンバーワンおよびGEベルノバと組み、米国の複数地域で最大4ギガワットの発電を目指す、より広範なモデルにも取り組んでいる。

エクソンモービルは現在、データセンター向け電力として2.7ギガワット超のパイプラインを抱えている。ハイパースケーラー専用に二酸化炭素回収機能付きのガス発電所(発電容量1.5ギガワット)を建設するという当初の構想は、依然として基本設計段階にある。しかし2025年12月、エクソンは米国南東部のデータセンター向けに、ネクステラ・エナジーと手を組んだ1.2ギガワットの追加プロジェクトを発表した。

ビジネスモデルは変化した。ガスはもはや単なる燃料ではない。AIインフラの時代においては、契約付きのサービス商品となりつつある。それは分子としてではなく、信頼性として販売される。シェブロンは、名前を明かしていない「一流」のデータセンター運営会社と「独占交渉」を行っている。買い手が購入しているのはガスではなく、スケジュールの確実性なのだ。

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翻訳=江津拓哉

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