2. 意思決定を確定させる
認知・生理的観点から言えば、信頼は「意思決定が確定した」と感じられるときにしか生まれない。不安に関する研究では、心が未解決の問題を何度も反芻するとき(頭の中で再現や再点検を続けるとき)、身体はまだ脅威が存在しているかのように反応することが示されている。
このような終わりのない思考では神経系は落ち着かず、常に警戒体制を取ることになる。この場合、再び整った状態に戻るために思考を完了させることが必要になる。意思決定を確定させると、脳は「監視を止めてよい」というシグナルを受け取り、その瞬間から信頼が形成され始める。
意思決定を確定させるというのは、決断を「価値の判決」ではなく「実験」として扱う習慣だ。これは特に重要だ。というのも、信頼に必要なのは確実性ではなく、コミットメントだからだ。決断を下したあとも、「これで正しかったのか」「間違っていたらどうしよう」「もっと賢い人ならどうしていただろう」といった問いで延々と自分を尋問し続けると、あなたが築こうとしている自分への信頼そのものを壊してしまう。脳に自分の選択は一時的なもので、すぐ撤回できると教え込むのだ。
したがって意思決定を確定させるとは、「今手に入る情報で決めたら、未来の情報を持っていない自分を罰するのをやめる」という明確なルールを自分の中で設定することだ。これは頑固さでも、新しい情報の否定でもない。将来の実践に役立つ枠組みとしては、次のように進めるとよい。
1. 意図的に決断する。関連情報を集め、自分の価値観を確認できるようペースを落とす
2. 意思決定の期間が限られていることを認識する。どんな決断も完全に確実ではないことを認める
3. 堂々巡りに終止符を打つ。決断した後は、評価ではなく実行にエネルギーを注ぐ
たとえば、「この機会については今後3カ月は断ると決めた。毎日ではなく、6月に再評価する」と言うことができる。この時間的な境界線は極めて重要だ。神経系に区切りがあるというシグナルを送る。あなたは自分の中での終わりのない議論に振り回されなくなる。
自分を信じられる人は、結果をより正確に予測できる人ではない。結果から立ち直るのが上手い人だ。もし決断が芳しくない結果につながったとしても、自責の念に陥るのではなく、適応し、学び、修正できる。
意思決定を確定させる習慣を実践すると反芻思考が減り、感情調整が改善され、心理学でいう内的統制感が強まることを覚えておくといい。自分の人生の傍観者ではなく、自分が「主人公」なのだと感じられるようになる。
小さな約束を守ることは信頼性を築くため、この2つの習慣は相互に作用する。意思決定の完了を実践することは自分への信頼を築く。どちらの習慣も始めるにあたって自信は必要ない。実際、疑念を抱く瞬間こそ最も効果がある。そのとき学びが定着する。


