経営・戦略

2026.01.26 13:30

米金融大手キャピタル・ワン、約8100億円で買収したクレカ新興企業と描く「新戦略」

David Ake/Getty Images

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先週は、スイスで開かれた世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」でのドナルド・トランプ大統領の演説をめぐるニュースが相次いだ。そんな中、国内第3位のクレジットカード発行会社で、総資産6610億ドル(約103兆円)を持つキャピタル・ワンが、ブレックスというフィンテック新興企業の買収に52億ドル(約8100億円)を投じると発表したニュースは、ほとんど注目を集めなかったように見える。

しかし、キャピタル・ワンのCEO兼共同創業者で億万長者のリチャード・フェアバンクは、銀行業界で最も賢明な戦略家の1人として知られている。2022年時点における評価額120億ドル(約1兆8600億円)を大きく下回る価格で買収したブレックスが同社に加わることで、2つの異なる分野で革新が起こる可能性がある。

2017年に設立されたブレックスは、法人向けクレジットカード、従業員支出管理ツール、法人向け銀行口座を3万5000社の顧客に提供している。顧客にはコインベースやドアダッシュといったテクノロジー企業のほか、通常アメリカン・エキスプレスに断られることが多いスタートアップ企業も含まれる。現金と株式を半分ずつ用いた今回の買収により、キャピタル・ワンはテクノロジー企業への大きな足がかりを得て、そこからクレジットカード残高の拡大を図ることができる。ブレックスはまだ黒字化していないものの、急成長を続けており、年間のグロス売上ランレートは7億ドル(約1100億円)に達していると報告されている。

フェアバンクは米国時間1月22日に行われた第4四半期決算説明会の中で、ブレックスの買収により事業者向け決済や中小企業向け銀行業務への進出をさらに進めることができると述べた。彼は、請求書の回収、支払い方法の選択、承認管理、従業員支出の追跡など、企業が直面している決済上の課題を挙げ、「2017年、ブレックスは法人向けクレジットカード、支出管理ソフトウエア、銀行機能を単一のプラットフォームに統合するという仕組みを生み出した」と語っている。

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翻訳=江津拓哉

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