ブレックス買収によるもう1つの潜在的なゲームチェンジャーは、その基盤となるテクノロジーから生まれる可能性がある。フェアバンクほどテクノロジー基盤に精通したベテランの銀行経営者は少なく、彼は決算説明会でブレックスの技術力を強調した。
「私はどれほどの回数、テクノロジースタックを最下層から構築することについて語ってきただろうか。それこそが、キャピタル・ワンで私たちが行ってきたことだ。それは非常に長く、孤独な道のりだが(中略)その恩恵は複利的に広がる」とフェアバンクは語った。詳細は明らかにしなかったものの、ブレックスの技術はカード事業だけでなく、「キャピタル・ワンの事業サイドのあらゆる側面」に恩恵をもたらすと述べた。
サクラニはさらに、ブレックスの技術は「AIを強く前面に押し出しており」、「キャピタル・ワンが他のフィンテック企業と効果的に競争することを可能にする」と付け加えた。
もちろん、キャピタル・ワンは、その巨大なマーケティング組織や高度なターゲティング能力、データ規模、膨大な顧客基盤、強固なバランスシートなど、莫大なリソースを活用して、ブレックスの成長加速を図る計画である。
今回のブレックス買収は、リビット・キャピタルやYコンビネーターといったブレックスの初期の投資家にとっては非常に良好なリターンをもたらす一方、後期になって参加した投資家にとっては、はるかに低いリターンになる可能性が高い。ブレックスは設立以来、13億ドル(約2000億円)の株式による資金調達を行い、2022年には120億ドル(約1兆8600億円)の評価額が付けられた。年間換算で約7億ドル(約1100億円)のグロス売上を考えると、キャピタル・ワンはその約7倍という倍率でブレックスを買収したことになる。
一方、ブレックスの競合であるランプは2019年に設立され、2025年9月時点での年間換算グロス売上が10億ドル(約1600億円)に達したとされる。2025年11月に実施した資金調達での評価額は320億ドル(約4兆9700億円)で、ブレックスよりはるかに高い評価倍率がつけられた。
キャピタル・ワンの株価は、決算説明会の翌日に7%下落した。サクラニはこの下落について、第4四半期の費用増加と、「ブレックスのような取引は短期的に投資負担を押し上げる可能性がある」点を理由に挙げている。ただし彼は、より速い利益成長という2027年の目標をキャピタル・ワンは達成することができると考えている。


