さらに彼は、企業が現金や小切手から離れつつあることにより、法人向けクレジットカード市場は年率9%で成長していると付け加えた。フェアバンクによれば、年間2兆ドル(約310兆円)に上る法人向けクレジットカード利用額のおよそ半分は、「カード支払いの責任を事業体が負う法人責任型(コーポレートカード)」であり、事業オーナー個人が責任を負う形ではないという。
キャピタル・ワンはそのコーポレートカードの分野で十分な存在感を持っておらず、ブレックスがそのギャップを埋めると考えている。フェアバンクは、アンソロピック、クラウドフレア、ロビンフッド、スケールAI、ティックトック、トーストといったブレックスの大手テクノロジー顧客の名前を挙げた。
ブレックスがキャピタル・ワンの事業拡大を後押しするもう1つの市場は、中小企業向け銀行業務である。フェアバンクによれば、キャピタル・ワンの中小企業向けサービスはこれまで、米国の18%をカバーする同社の「支店網の範囲内に限定された、主に地域密着型の提供」にとどまってきたという。
デジタルファーストの中小企業向け銀行業務は、フィンテック分野で注目の領域となっている。ブレックスに加え、Ramp(ランプ)、Mercury(マーキュリー)、Relay(リレー)といった企業も急速に成長している。フェアバンクは、キャピタル・ワンはこれまで「中小企業の顧客基盤に十分な規模がなく」、中小企業向け銀行業務を支える新技術に大規模投資を行うことができなかったが、ブレックスの買収によって、より優れた技術を手に入れたと述べた。
KBWのリサーチアナリストであるサンジェイ・サクラニは、ウォール街は長年にわたり、カード決済ネットワークを持ち、個人向けと法人向けの双方で大企業を顧客に抱えるアメリカン・エキスプレスの立ち位置を高く評価してきたと語る。「この取引とディスカバー(編集注:キャピタル・ワンが2025年に買収した米クレジットカード大手)の買収が組み合わさることで、(アメリカン・エキスプレスと)非常に似たモデルをキャピタル・ワンが再現するために必要な要素の大半が揃う」とサクラニは述べる。彼は、キャピタル・ワンが今や「中小企業や大企業の顧客にとって、より垂直統合された、オペレーティングシステム的な存在」になれると考えている。


