日本国債を空売りする取引はかねて「ウィドウメーカー(未亡人製造機)」と呼ばれてきた。過去15年、多くの投資家がそれに挑んできたが、成功した者はいたとしてもごく少数だった。
しかしこの1週間は、日本国債の下落に賭ける投資家が長年待ち焦がれてきた瞬間だったのかもしれない。19日以降、多くの年限の日本国債の利回りが1999年以来の高水準に急騰し、40年債では初めて4%台に達した。
理由は、高市早苗首相が財政の蛇口を開き、円安をさらに進めるような計画を打ち出したことだ。さらに高市が衆議院の解散と2月8日の総選挙実施を発表したことで、市場は一段と動揺した。トレーダーたちは、すでに国内総生産(GDP)比で260%という持続不可能な水準にある日本の公的債務をさらに増やすことについて、高市が国民から信任を得ようとしていることを知っている。
これは嫌というほど見慣れた行動だ。1990年代半ば以降、日本の歴代政権は野放図に債務を積み上げ、各首相は日本銀行に利下げを促した。1999年、日本は主要7カ国(G7)で初めて政策金利をゼロまで引き下げた。2年後、日銀は世界に先駆けて量的緩和を導入した。
日本の金利はいまも0.75%にとどまっている。
この1週間にあった東京債券市場の劇的な動きを受けて、投資家たちはアジア2位の経済大国が財政のコントロールを失いつつあるのではないかと案じている。他方で、日本の混乱がたちまち米国債市場に波及したことは示唆的だった。この連動性をドナルド・トランプ米政権の財務省はどのくらい深刻に受け止めているのだろうか。
米ヘッジファンド大手シタデルのケン・グリフィン最高経営責任者(CEO)は、日本国債につられて米国債も売られたことはホワイトハウスがおそらく考えている以上に深刻だと懸念しており、米国の政治家たちへの「明確な警告」だと指摘している。グリフィンはブルームバーグ・テレビジョンのインタビューでこう語った。「債券自警団が動き出し、応分の代価を引き出す可能性があります。日本で起こったことは下院と上院への非常に重要なメッセージです。財政を健全化しなければならない、というものです」



