貴金属は米国時間1月23日午前も記録的な上昇を続け、銀価格が史上初めて100ドルの大台を突破した。一方、金価格は過去最高の5000ドルに迫っている。
あるアナリストは、安全資産への需要増加の背景としてドナルド・トランプ大統領の「絶対的な予測不能性」を挙げている。銀価格は米東部時間1月23日午前10時25分時点で過去最高の100.10ドルに達し、約4%上昇して史上最高値を更新した。
金価格は同時点で約4945.21ドルとなり、23日午前の早い時間に付けた高値4970ドルからわずかに下落している。
銅価格も急騰し、1トン当たり1万3000ドルを超えて最高1万3173.50ドルまで上昇、今月初めに記録した史上最高値に接近している。
貴金属は2025年を通じて、さらに2026年の最初の数週間にかけて大幅な上昇を続けている。ゴールドマン・サックスは今週初め、金価格の予想を4900ドルから引き上げ、2026年末までに5400ドルになるとの見通しを示した。
Pepperstoneのリサーチ責任者クリス・ウェストンは23日午前、ロイターに対し、トランプがグリーンランド獲得への意欲を背景にEUに対する関税の脅しを取り下げたことは金属価格の下落要因となるはずだったと述べた。一方で、「金は、米大統領としてのトランプと、それに伴う絶対的な予測不能性に対するヘッジとしての性格を強めているように見える」と指摘した。
サクソバンクのアナリストは23日午前、貴金属相場の上昇は「FOMO(取り残されることへの恐怖)」に加え、米欧間の緊張や米ドル安の中で安全資産を求める動きによって「勢いづけられている」と述べた。
「2026年」に金と銀の価格が急騰する理由
アナリストによれば、複数の国際的な出来事が金と銀の価格を押し上げているという。世界的な不確実性が高まる局面では、安全資産と見なされる資産への需要が増加する傾向がある。米国によるベネズエラのニコラス・マドゥロの拘束、イランでの抗議活動、中国による銀の新たな輸出規制、そしてトランプのグリーンランド併合の推進が、ここ数週間の金属価格上昇に寄与してきた。
トランプのグリーンランド獲得への意向は国際的な緊張を生み、欧州の指導者らが北極の島への支持を表明する一方、トランプは欧州8カ国に関税を課すと脅した。スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで行った演説で、トランプはグリーンランド掌握のために軍事力を用いることを否定し、同日、Truth Socialへの投稿で関税の脅しを撤回した。投稿の中でトランプは、自身とNATO事務総長のマルク・ルッテが「グリーンランドに関する将来の合意の枠組みを形成した」とし、グリーンランドの将来について「追加の協議」が行われると主張している。
「2025年」に金と銀が急騰した理由
貴金属にとって記録的な年となった2025年、金価格は約65%上昇し、銀は最大150%急騰した。価格上昇の重要な要因には、米連邦準備制度理事会(FRB)による金利引き下げと、EV生産やAIデータセンターなどテクノロジー産業における銀需要の高まりが含まれる。銀はまた、トランプが銀に関税を課すとの懸念から米国の保管庫に銀が流入し、ロンドンの取引拠点で銀が不足したことで、供給逼迫による価格上昇圧力にも直面した。



