3. 出社する人限定の特典やイベントを実施する
無料の仕出しランチやハッピーアワー、ゲストスピーカー、ウェルネスプログラム、チームビルディングイベントなどが復活しつつある。ただし、出社した人だけが利用できるという条件付きだ。
この戦略が効くのは、オフィスを仕事や社交の中心として再定義するからだ。本当のコストは特典そのものではない。以下のような、出社しないことで従業員が失うものだ。
・形式ばらないネットワーキングの機会
・リーダー陣との雑談
・チームの一員であるという感覚
企業は、出社命令よりも取り残されることへの恐れの方が強力な動機になるとみている。そして多くの労働者、特に経験の浅い従業員に対してその見当は当たっている。オフィスは「行かなければならない場所」ではなく「機会が生まれる場所」になる。
4. 監視と説明責任の仕組みを強化する
特典が「飴」だとすれば、監視ツールは「鞭」だ。履歴書作成ツールを展開するResume Builder(レジュメ・ビルダー)の調査によると、企業の大多数(85%)はリモート勤務とオフィス勤務の従業員を同じように監視している。だが14%の企業はリモート勤務の従業員だけを監視しており、うち約3分の2はこの扱いの違いを使ってオフィス出社を促していると認めている。
リモート勤務の従業員はログインの追跡やマウスの動きの監視、キーボード入力の分析、会議出席状況の管理などに直面する可能性がある。リモート勤務の人だけがここまでの監視にさらされると、リモート勤務は「本当のメリット」ではなく、「常に正当化し続けなければならない特権」のように感じられてくる。オフィスに出てくる人だけが信頼されるという強烈なメッセージだ。
5. 協働を「対面で行うもの」として位置づける
ここには矛盾がある。Owl Labsのデータによると、管理職の69%はハイブリッド勤務やリモート勤務によってチームの生産性が上がったと報告している。にもかかわらず、対面での協働のほうが良い成果を生むという考えは根強い。
実態が数字で示されている。労働者の79%は、企業が生産性や協働を改善するために出社回帰を進めていると考えている。一方で78%は、それがリーダーシップの監督や可視性を維持するためだとも考えている。こうした懸念が正しいかどうかは別として、人々をオフィスに戻すための説得力ある根拠となる。この認識と現実のギャップがハイブリッド・クリープを強力なものにしている。


