世界最大の原油埋蔵と崩壊状態のインフラ
投資家のなかには、ベネズエラがどれほど資源に恵まれている国なのか、いまだに理解していない人もいる。
ベネズエラの原油の確認埋蔵量は3000億バレル超に達し、世界最大だ。これは世界全体の原油の確認埋蔵量の5分の1近くに相当する。
にもかかわらず、ベネズエラの原油生産量は世界全体のわずか1%にとどまっているのが現状だ。
数十年にわたる社会主義政策や腐敗、ずさんな管理の結果、ベネズエラの石油インフラは崩壊した。往時には700万〜800万バレルあった日量生産量は、足元では100万バレル弱にまで落ち込んでいる。
ベネズエラの石油産業の再建は容易ではない
マドゥロが失脚し、米国が差配することになったことで、ベネズエラの石油産業には新たな楽観論が生まれている。とはいえ、同時に巨額の資本も必要とされている。エネルギーコンサルティング会社リスタッド・エナジーは、ベネズエラの原油生産量を15年前の水準に回復させるだけでも、最大で1100億ドル(約17兆4000億円)の設備投資が必要になると試算している。
この金額は、投資銀行CLSAの投資家向けリポートを参照すると、米国の石油メジャー各社が2024年に世界全体で行った設備投資の総額のおよそ2倍にあたる。
トランプは米国の石油会社によるベネズエラ事業の「再稼働」費用を米政府が肩代わりする可能性に言及しており、それもこうした事情があるからかもしれない。
「莫大な資金が必要になる。石油会社がそれを支出するだろうが、その後われわれ(米政府)から払い戻されるか、あるいは収益を通じて回収されることになる」と大統領はNBCニュースに語っている。
もっとも、たとえばエクソンモービルは、これまでに2度も資産を接収された国で事業を行うことに慎重だ。同社のダレン・ウッズ最高経営責任者(CEO)は最近開かれたトランプ政権と石油業界幹部の円卓会議で、ベネズエラの法制度や炭化水素関連法が大幅に改正されない限り、ベネズエラは「投資不可能」と考えていると大統領に伝えた。


