ベネズエラで1月3日に起こったことは、エネルギーと地政学の面でこの10年で最も重大な出来事になるかもしれない。
世界に衝撃を与えた電撃的かつ綿密に調整された作戦で、米軍はベネズエラの長年の社会主義独裁者ニコラス・マドゥロ大統領を拘束した。
ドナルド・トランプ米大統領は即座に、米国はベネズエラの荒廃した石油インフラを再建するとともに、そのすべての原油輸出を無期限に管理すると宣言した。
一部の人には、これは新植民地主義のように聞こえるかもしれない。一方で、投資家にとっては好機にもなり得る。
勢力圏を再び主張する米国
先日の記事でも述べたとおり、わたしたちがいま目にしているのは200年前にさかのぼるモンロー主義の復活である。これは、西半球では米国が支配的な勢力であり、欧州諸国は干渉すべきでないとする考え方だ。
「トランプ補論」あるいは「ドンロー主義」とも呼ばれる21世紀版モンロー主義も同様に、中国やロシアは中南米の石油を含む莫大な資源に手を出してはならないと警告する意図がある。
「われわれは(ベネズエラの)石油を使うつもりだし、石油を手に入れるつもりだ」。トランプ本人はそう言っている。
トランプ政権はすでに、ベネズエラ産の原油3000万〜5000万バレルを市場で販売する計画を発表しており、収益はトランプが直接管理するとしている。クリス・ライト米エネルギー長官は、米国はベネズエラ産原油を「無期限に」販売するとまで踏み込んでいる。まずは貯蔵施設に滞留している在庫を売り、将来的には生産を拡大する方針だという。
現在、ベネズエラ産原油の最大の輸出先は中国であり、全体のおよそ8割を購入している。中国は2020年以降、中南米地域にとって最大の貿易相手国となっているほか、これまで域内の各国の港湾や通信、電力網などに巨額の投資も行ってきた。中南米で港湾プロジェクト37件を手がけ、中南米向けに総額で130億ドル(約2兆600億円)規模の融資枠も設けている中国は、この地域をそう簡単には手放しそうにない。



