デザインの未来は「関係性」の中にある
セッション終盤、話題は「デザインの未来」へ。ポンピドゥーのゼトゥンは、デザイナーたちの変化をこう指摘した。「彼らは『プロダクトのために考える』のではなく、『プロダクトを通して考える』ようになっている」。
その上で、デザインに求められる接続の多層性を語った。チームでの共同制作、土地やローカルな製造とのつながり、生態系への配慮、そして歴史や記憶との接続。プロダクトは、これらの関係性を媒介する存在になりつつある、と。
ヴァリエールは、「多くのデザイナーやアーティストがAIを恐れています。でも私は、創造性の部分ではなく、事務作業の部分をAIが助けてくれることを願っている。そうすれば、本当にやりたいこと、つまり創造に集中できるから」と、毎日のようにニュースを賑わせるAIとクリエイティブの緊張関係について語った。
中村は、「職業」という概念そのものに疑問を投げかけた。
「最近、『あなたの職業は?』と聞かれて答えるのが難しい。あるときはクリエイター、あるときはデザイナー、プロジェクトによっては建築家。現代アーティストが異なるメディアを使って表現するように、デザイナーももっと自由であるべきだと思います」

セッションの最後、ファレジンからのメッセージが読み上げられた。
「自分を同世代と比べるな。世界最高のデザイナーと同じレベルを目指せ。それが自分の仕事に挑戦し、最高の自分になる唯一の方法だから」
世界の第一線で活躍するキュレーターたちが作品について真剣に語っている様子を、20代から30代前半の出展者たちが聞き入っていた。
いつか自分たちのプロダクトが、MoMAやポンピドゥーに収蔵される日が来るかもしれない。あるいは来ないかもしれない。でも少なくともあの場で、彼らは「見られている」という確かな手応えを得たはずだ。
alter.の第2回は2026年10月末に開催予定。それに向け、2月9日からオンラインで出展者募集が始まる。


