若手デザイナーの登竜門「alter.」 世界的キュレーターが注目する理由

2025年11月に開催されたalter. 2025, Tokyo、初日のトークショーの様子

デザインの未来は「関係性」の中にある

セッション終盤、話題は「デザインの未来」へ。ポンピドゥーのゼトゥンは、デザイナーたちの変化をこう指摘した。「彼らは『プロダクトのために考える』のではなく、『プロダクトを通して考える』ようになっている」。

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その上で、デザインに求められる接続の多層性を語った。チームでの共同制作、土地やローカルな製造とのつながり、生態系への配慮、そして歴史や記憶との接続。プロダクトは、これらの関係性を媒介する存在になりつつある、と。

ヴァリエールは、「多くのデザイナーやアーティストがAIを恐れています。でも私は、創造性の部分ではなく、事務作業の部分をAIが助けてくれることを願っている。そうすれば、本当にやりたいこと、つまり創造に集中できるから」と、毎日のようにニュースを賑わせるAIとクリエイティブの緊張関係について語った。

中村は、「職業」という概念そのものに疑問を投げかけた。

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「最近、『あなたの職業は?』と聞かれて答えるのが難しい。あるときはクリエイター、あるときはデザイナー、プロジェクトによっては建築家。現代アーティストが異なるメディアを使って表現するように、デザイナーももっと自由であるべきだと思います」

セッションの最後、ファレジンからのメッセージが読み上げられた。

「自分を同世代と比べるな。世界最高のデザイナーと同じレベルを目指せ。それが自分の仕事に挑戦し、最高の自分になる唯一の方法だから」

世界の第一線で活躍するキュレーターたちが作品について真剣に語っている様子を、20代から30代前半の出展者たちが聞き入っていた。

いつか自分たちのプロダクトが、MoMAやポンピドゥーに収蔵される日が来るかもしれない。あるいは来ないかもしれない。でも少なくともあの場で、彼らは「見られている」という確かな手応えを得たはずだ。

alter.の第2回は2026年10月末に開催予定。それに向け、2月9日からオンラインで出展者募集が始まる。

文=青山鼓 写真=alter. TOKYO

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