すぐに起き出すと、エコノミークラスのパーサーです。明らかに取り乱した様子で話し始めました。
「エコノミークラスのお客様からクレームを頂戴して、担当CAでは対応できなかったのです。それでパーサーの私が出ていったのですが、大変なご立腹でどうにもおさまらなくて。チーフパーサーを呼ぶように言われてしまいました」
話を聞くと、サービスに時間がかかっていたことがクレームの原因でした。
「40代くらいの男性のお客様で、何時何分にベルト着用サインが消えて、飲み物のサービスが始まったのが何時何分で、自分の席に飲み物が来たのが何時何分かまで、克明に記録なさっていました。お食事についてもです。『サービスにこんなに時間がかかるのはどういうことだ、あなたがこのクラスの責任者でしょう』と、ゆるしていただけないのです」
休憩時間でも最終的に解決するのはチーフパーサーの役割
震えていた彼女はついに泣き出してしまいました。私は、「わかりました、私が行ってきます」と告げ、まずギャレーに向かいました。熱い日本茶を淹れ、トレーに載せてから、エコノミーのそのお客様のもとにうかがいました。
フライト前に私はCAたちに「何かあったら私が対応します」と伝えていました。休憩時間だろうと何だろうと最終的に解決するのはチーフパーサーの役割です。
チーフパーサーにとっての業務時間は、サービスをする「お客様のための時間」。そして休憩時間は、自分の休憩とチームのための「余白の時間」です。私はこの余白の時間を利用して、同僚CAへのアドバイスや、ギャレーの掃除をしていました。きっちり2時間休むより、余白の時間ととらえていたほうが、自分自身に余裕ができます。何よりそのつもりで休んでいれば、おのずと頼みやすい雰囲気が生まれて、下の人たちが遠慮なく声をかけてくれます。


