小さな子どもを相手にした接客。子ども扱いをする大人は少なくない。
ANAの客室乗務員(CA=キャビンアテンダント)として初めて65歳定年まで飛び続け、航空業界で「レジェンド」といわれる、大宅邦子さん。45年間、国際線ファーストクラスで一流のおもてなしを提供してきた彼女が、小さな子どもの乗客に対しても徹底したこと。それは「子ども扱いしない」ということだった。『新版 選んだ道が一番いい道』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けする。
「感じのいい接し方」は伝染する
その日の成田発シカゴ行きのファーストクラスには、とびきり若いお客様がいました。お父さん、お母さんと一緒のそのお客様は、小学5年生の女の子。もう13年ほど前のクリスマスイブのことでした。
クリスマス、お正月は航空会社のハイシーズンであり、エコノミーは満席です。同時に仕事で使ってくださるお客様がお休みに入る時期でもあり、ファースト、ビジネスは空いています。
ファーストクラスは8席ありましたが、ご利用はそのご家族だけ。私は「本日はお客様方だけですから、どうぞごゆっくりおくつろぎください」とご挨拶しました。
ファーストクラスのお客様のために必ず搭載されている蘭の花をどう使うかは、CAの裁量に任されています。私が愛用していたのはぺたんこのビニール素材で、水を入れると立体的になる、便利でしゃれたフラワーベース。
いつもならそれをお客様のじゃまにならないギャレーの入り口付近に飾りますが、空いていたのでお三方から見える1番前のテーブルに飾りました。ちゃんとライトが当たるようにすると、小さなお客様は喜んでくださいました。



